リスケジュール後の融資は厳しい?正常化の条件と金融機関の対応を解説
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【質問】
顧問税理士に「一度リスケをすると、業績が回復し、返済が正常化したとしても銀行などの金融機関、日本政策金融公庫、保証協会など、それぞれのその後の融資は厳しくなる」と言われました。 やはり、リスケの後遺症は残るものなのでしょうか?(Y様)
【回答】
結論を最初に述べると、「後遺症は残る。が、それは状況によりマチマチ」となります。そして、この「返済が正常化すれば」の「正常化」の解釈によっては「後遺症はほとんどない」ともいえます。
特に、日本政策金融公庫と保証協会の場合には
- リスケジュール後(返済再開後)の返済が120回返済(10年)以内である
- 返済再開後、6ヶ月以上経過している
- 業績の改善状況が評価されている
以上の条件を満たしていれば、新規融資が検討されることは可能です。実際にそれを実現された弊社の顧問先様は何社もあります。この中で、問題になりやすいのは3.でしょうか。なぜなら、「どれだけ改善できていれば評価されるのか」という明確な基準があるわけではないからです。
金融庁が金融機関向けに作成した「金融検査マニュアル」にある内容がおおむね、この評価基準と合致しますが、それも、人間の判断が入るためそのまま適用されるとは限りません。
近い将来必ずそうなる(評価されるようになる)と思って経営を続けることはできますが、明確な基準ではない以上、それに期待するのは危険である、というのが一般的な見方です。次に、「後遺症が残らない」ケースの話をすると、一度正常返済に戻れば、かつてリスケをしていたという事実は、今後の融資には影響しなくなります。
むしろ、(特に、日本政策金融公庫や保証協会においては)自ら再生したことがあるという点で、社長個人に対する評価は逆に上がることさえあります。
一方、銀行などの金融機関のプロパー融資(保証付融資でない融資)に関していえば、全て個別対応・個社別の評価になるため、より融資再開のハードルは上がるものの、まずは日本政策金融公庫と保証協会との借入が正常化したことをもって融資の検討が再開されるケースが大半です。
こういった背景から考えても、まずは一時的な短期資金に対して、個別対応により融資が実行されることが、金融機関のプロパー融資正常化のスタートラインになるといえます。
しかし、かなり急速な改善が実績として証明できるか、あるいは本当に一時的な資金繰りの問題によるリスケジュールでない限りは、リスケジュールから正常返済に戻って即座に借りられる、とは思わない方が無難なため、まずは、
・改善状況を継続的に報告する
・その評価を受ける
・日本政策金融公庫と保証協会を正常化する
・その返済実績も合わせて評価を受ける
というステップを踏むことで正常化できると考えた方がよいでしょう。
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