コラム

  1. ホーム
  2. > コラム
  3. > 銀行とのつきあい方
  4. > リスケからの卒業

リスケからの卒業

数日前、ある信用金庫の若手職員と話をする機械がありました。その職員は、中小企業の事業再生にとても関心を持ち、日々の業務に取り組んでいると語っていました。その会話のなかで、事業再生の対象企業としてリスケ企業があがりました。

 

このような会話です。リスケをすると元金返済を猶予されるので、資金繰りは多少安定しますが、それは一時的なものであり、根本的な経営改善をしなければ、いずれ資金不足になります。

 

しかし、複数年の間リスケをしている中小企業経営者も地域金融機関も、この状態が当たり前になってしまい「今年も同条件ですね」と簡単にリスケの更新手続きが行われていると言うのです。

 

社長にとっては、一定の利益確保はできていますが、それを地域金融機関への元金返済へ多く回すことは難しいし、地域金融機関にとっても、新たな融資は厳しいので訪問回数も少なくなり、日常の接点が持たれず、事業も財務も深くはみることはないため、何かをするのではなく現状維持となるのです。

 

このような関係で長期間のリスケ企業が存在し、時だけが過ぎています。これで行員が再生に取り組んでいるとは決して言えませんが、それは行員個人の責任というより、組織活動の弊害であると感じます。

 

実際、ある中小企業A社でもこのような状態が7年間も続いていました。私から見ると、メインバンクによる放置です。A社の社長は一日でも早くリスケから卒業して、地域金融機関と通常取引に戻りたいと強く望んでいました。それは、出口の見えないトンネルに何年もいるようで、何を目標に経営をしているのかと未来が見えない不安の日々でした。

 

A社の社長は、「メインバンクにどうやったら当社は通常の取引になりますか」と何度と尋ねました。メインバンクからの答えは、「当初の約定弁済にすることです」といつも言われていました。当然そうすべきですが、その金額は難しいとA社の社長は重い、利益は出ているが、少額返済でリスケの更新を7年もしていました。

 

時が過ぎ、機械も古くなり修繕費がかさみ、場合によっては機械の新規購入も検討しなければならない場面になりました。

 

リスケ状態ですからメインバンクからの新規融資を諦め、自社の利益でどうにか回していましたが、目にみえて生産性は落ちていき、利益の幅も伸び悩んでいました。それでもメインバンクは、財務優先で事業をみることをせず、リスケからの卒業に対して真剣にA社と考えることは一切ありませんでした。本当にこれでよいのでしょうか。

この記事の著者

  • 野上 智之

    公立大学法人北九州市立大学卒業、大手システム会社を経て、教育研修会社での新規部門立上げや西日本責任者としての実践により、収支損益の黒字化と人財育成がなければ、企業は元気にならないという強い信念のもと中小企業に特化した経営コンサルタントに転身。現在も10社を担当し各地でセミナーや研修を実施したり、地域金融機関との連携を実施。行政書士試験合格、宅地建物取引士、動産評価アドバイザー(TAA)、中小企業庁ミラサポ専門派遣登録専門家、プッシュ型事業承継支援高度化事業登録専門家(中小企業庁)、再生支援ネットワーク会議メンバー(広島)

新商品のご案内

500社の面談相談実績を誇る元銀行員が教える「銀行とのつきあい方大全」全10巻シリーズ!豊富な実例に基づく解説だから体系的に実体を学べる!

→ 詳細・ご購入はこちら
金融機関紹介実績No1
支援機関
contents
  • 事業再生
  • M&A
  • よくある質問
  • 実際の事例集
  • オンラインショップ
  • 会社概要

facebook

一人で悩む経営者へ
後悔しない決断を一緒に見つけましょう