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競合する同業他社比較の重要度が増している

同地域・同規模の同業他社との比較の重要さについて何度か他のトピックの中で触れてきましたが、私のコンサル活動の日常の中でも実感することが、増えてきましたので、改めて一つのトピックとしてまとめておきたいと思います。

 

同業他社との比較で、御社の強み・特徴は?と聞かれて、はっきり答えられる経営者は意外と多くありません。

 

あまり考えたことがなかった、という方もいらっしゃいますが、意外と多い経営者様のお考えは「地域での付き合いもある中で、他社のことについてわざわざ否定的なコメントをする可能性に躊躇していまう」というもの。

 

謙虚なお考えをダメ、と否定するのもどうかと思いますが、同業他社との比較は、今日その重要性を増していることはご認識いただければと思うのです。

今後の事業成長性にあたっては非常に重要なポイント

将来の事業計画、特に損益計画にあたり、売上(=ここでは受注量)を確保するためには商圏内の今後の経済動向分析が欠かせません。

 

例えば、新たな住宅街への人口流入が進んでいる地域なら、飲食店といった店舗も勝負しやすいかな、といったものですが、地域動向とともに「同業競合の質・量や動向」を加えていくことは必須要件です。

 

上記の例に加えるなら、競合となる飲食店の増加が人口増加よりもはるかに大きければ単純に出店してよいとは言えなくなりますよね。

 

逆に、経済・人口の縮小が予想される地域であっても競合他社が撤退・廃業予定であるならば、市場は小さくなってもシェアを大幅に上げられる見込みによって強気に考えられる余地が生まれます。

 

他、新規参入の可能性について触れておくと今後の新たな競合発生可能性を確認することができます。例えば「新規での開業には許認可が必要だが、新規ではほぼ取得不可能」であれば、新規参入は困難であり、新たな競合発生はあまり考慮する必要がない、となります。

 

つまり、将来の事業・損益を展望するにあたって

 

  • 同地域・同規模の同業他社を競合相手とした時の自社の優位性
  • 及び新規参入の可能性

 

この二点に触れて「私の会社は、まずまず強いですよ」と胸を張って主張できるかどうかは銀行の納得を得られるかどうかに大きな影響を及ぼすようになっているわけです。

銀行の対応

以前のような決算書分析の偏重から抜け出すための模索を続けている銀行としては、例えば事業性評価においても間違いなく競合分析を入れてきます。また、これまでよりも業界毎の理解を進めるために本部・支店双方(特に本部)で担当者の割り振りを地域別ではなく業種別で行うように再編成をしている銀行が増加中です。

 

それは、業種別に理解することで、一つひとつの企業が同地域の競合の中でどれだけ強さを発揮できるのか推し量りたいため、です。地域経済で支持を受けることができるかどうか、は決算書には表示されませんが、同業他社との比較で優位かどうかで判定することになるのです。

 

従って、同地域・同業他社を競合とした自社の優位性の確認は今後の銀行とのつきあい方においても大事なものになります。とはいえ、将来の売上確保の現実性に繋がるものですから、銀行のためというより自社自身のためであることは勿論です。

 

他社を貶めるためではなく、自社の将来性を見つめるという見地で検証いただければ幸いです。

 

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この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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