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現状のファクタリングは功罪相半ば

ファクタリングとは、簡単に言ってしまえば売掛金という債権を、手数料を支払いすることで業者に売却し、資金化することです。売掛債権担保融資と同じようにも見えますが、こちらはあくまでも売掛金を担保にして、融資を行うもの。

 

どちらも資金調達ではありますが、ファクタリングは融資のような「借りる」ではなく債権の「売却」なので、与信としてはより軽く、より審査が通りやすいです。

 

貸借対照表でいえば、売掛金が現預金に振り替わる一方、負債は変わらないため、あまり見栄えに影響しないこともファクタリング利用のハードルを下げているようです(ただし、損益上は別)。

 

以前はファクタリングも売掛債権担保融資も、「譲渡担保禁止特約(債権譲渡特約)」がある取引では利用ができないことがネックになっていましたが、2020年の民法改正で同特約が撤廃され、過去の取引契約においても同特約は無効となったことで利用の幅が広がっています。

 

ファクタリングの市場規模は、特に中小企業に限定した場合、正確な数値は不明ながら、上記に加え手形取引が撤廃に 向かっていることや、コロナ禍での資金調達に窮した企業の利用が増えていることを勘案すると、拡大していることは間違いなさそうです。

 

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トラブルが急激に増加している

急増しているファクタリングによるトラブル

 

しかし、最近弊社へのご相談にはファクタリングの利用によるトラブルを受けている経営者様からの悲痛なお話が増えています。いくつか紹介させていただきますと

 

  • 既に売掛債権担保融資を利用しているのにファクタリングを行ったことで、いわば「二重担保」をしてしまったことが貸し手に判明してしまった
  • 手数料が高すぎる(融資のような利息上限の規定がない)ことでの資金繰りの困窮
  • ファクタリング金額算出の根拠となる請求書の金額をファクタリング業者が誤認してしまうことでのトラブル(複数頁の請求書の合計金額表示と各頁の小計金額を別々に加算してしまったことによる)
  • これらトラブルによって、売掛先にファクタリングの利用が業者より通知されることで、信用上のトラブルに発展

 

等、企業の運営・資金繰りにとっては非常に重い状況です。

利用しやすいからこそ慎重に

正直なところ、ファクタリング業者は元々ノンバンクでの融資を行っていた(あまり体の良くない)業者がより収益性(手数料)の高いファクタリングにシフトしてきたことで増えてきた側面があり、この意味でも危険性は高いのですが、そもそも手数料がかなり高額なため真に一時的な資金対応でもない限りは本質的に企業を救うことは困難です。

 

もちろん、新たな資金調達手法として高い理想を掲げる正当な業者もいらっしゃるのですが、ファクタリングによって急場をしのぐことができた企業が存在する一方で、止めを刺されてしまう企業もまた多く発生してしまうことが懸念されます。

 

ファクタリングの利用を考慮しなくてはならない状況に万一でもなるのならば、即弊社やお近くの専門家にご相談していただき、対応を検討されるのがお勧めです。

 

エクステンドでは、経営者様からの無料相談を受け付けています。銀行からの新たな資金調達を得たいや返済が厳しい、資金繰りが苦しいなどのお悩みでしたらお気軽にご相談ください。まずは下記バナーより「無料相談」をご利用ください。

この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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