銀行との信頼関係を築くなら銀行都合を理解することも必要です!
銀行との関係に悩む経営者様、こんにちは。『銀行からの融資が受けられない』『銀行とうまく付き合えない』といった声をよく耳にします。しかし、真の信頼関係を築くためには、企業側も銀行の立場を理解する必要があるのです。本コラムでは、銀行との関係を改善し、スムーズな資金調達を実現するためのポイントをお伝えします。
「押し通す」から「信頼関係の醸成」へ
思い返してみると前世紀末から数年前まで、銀行とのつきあい方というのは、
- どうすれば貸し渋りを受けないで済むのか
- 粉飾決算をしてでも、どうしてもお金を借りたい
- メインバンクが支えてくれないため、融資取引銀行を増やしたい
- 借りたお金は最大限返さない
- 銀行には最大限自社の情報を開示しない
方向性のものが大半で、企業と銀行との間にあるものは信頼関係よりは化かし合いと言わざるを得ない状況がありました。
近年になり、金融庁の強力な指導の元「このままでは企業も銀行も先がない」危機感から、少しずつ打開への道が開かれつつあり、金融行政も大きな変革期を迎えていることは、弊社メルマガにおいても度々お伝えしている通りです。
これまでの過去決算評価に依存しすぎる評価体系から脱却してほしい、等銀行には今一度お願いしたいことはあるのですが信頼関係を改めて醸成したいのならば、銀行の都合を企業が理解することも同じように必要です。その中でも、今回根幹になるポイントをお伝えしたいと思います。
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銀行融資は本来凄いこと
ここ20数年に渡り銀行の融資制度が硬直化、世間から大きな批判を受け続けた結果、銀行が随分低姿勢になった、と聞きます。しかし、極端に企業に対して下手に出過ぎ、かえって銀行の価値を損ねてはいないか疑問を感じています。
銀行の司る「融資」という機能は赤の他人に金を貸すという、他の人(企業)にはそう簡単にはできない行為を行い、それによって経済をより良く回す、という凄い価値のあるものです。融資するお金の原資は(細かいこと言えば色々ありますが)、お客様から預かったお金。
信用力の極めて高い者が、慎重に慎重を重ねて検討してこそ融資が成立する、というのは本来当たり前のことなのです。
何が言いたいのか、と言いますと、信用融資に限りますが銀行融資は今日巷で言われがちなものよりもずっと凄いものであってそれを受けたい、というのであれば、相応の準備や情報開示・礼節が企業側に求められるということです。
試算表に資金繰り表は昔から言われるものではありますが、資金使途や返済原資事業の見通しや経営方針、改善項目や実施状況くらい当然のように用意できていないのに「銀行の姿勢は間違っている、もっと信用で融資を出すべきだ」と一方的に主張するのは、無理があります。それを明快に表現できない銀行側にも、もどかしさはあるのですが…
だまっていても自社事業や経営状況を銀行は分かってくれる、というのはさすがに困難であって、自社の説明責任は果たしてこそ、銀行側にも一方前に進んでもらえることは、中小企業経営者の皆様には何卒ご理解いただきたいのです。
銀行との効果的なコミュニケーション方法
あなたは銀行とのコミュニケーションに悩んでいませんか? 実は、銀行との良好な関係を築くカギは、効果的で継続的なコミュニケーションにあるのです。財務コンサルタントとして多くの企業を見てきた経験から、特に重要な2つのポイントをお伝えします。
定期的な報告の重要性
銀行にとって、融資先の企業の状況を把握することは非常に重要です。しかし、多くの経営者は「良い話がない限り、報告する必要はない」と考えがちです。これは大きな間違いです。
定期的な報告は、銀行との信頼関係を築く基盤となります。具体的には、以下のような報告を心がけましょう。
月次の試算表と資金繰り表の提出
これにより、銀行は企業の現状をリアルタイムで把握できます。
四半期ごとの事業報告
売上や利益の状況、主要な取引先の動向、市場環境の変化などを簡潔にまとめて報告します。
年度計画の共有
新年度が始まる前に、次年度の事業計画や予算を銀行と共有しましょう。
これらの報告を通じて、銀行側も企業の状況を深く理解でき、適切なタイミングで必要な支援を提案できるようになります。
課題や改善点の共有
多くの経営者は、企業の課題や問題点を銀行に伝えることを躊躇します。しかし、課題を隠すことは、長期的には信頼関係を損なう結果となります。
むしろ、課題や改善点を積極的に共有することで、銀行との関係はより強固になります。以下のようなアプローチを心がけましょう。
課題の早期共有
問題が大きくなる前に、早めに銀行と共有します。これにより、銀行側も一緒に解決策を考える時間的余裕ができます。
改善計画の提示
課題を伝える際は、同時に具体的な改善計画も提示しましょう。これにより、経営者の問題解決能力をアピールできます。
進捗報告の徹底
改善計画の進捗状況を定期的に報告します。たとえ予定通り進まなくても、その理由と新たな対策を説明することが重要です。
このように、課題や改善点を共有することで、銀行は企業の誠実さと経営努力を評価し、より強力なパートナーとなってくれるでしょう。
効果的なコミュニケーションは、一朝一夕には築けません。しかし、これらの取り組みを継続することで、銀行との信頼関係は確実に深まっていきます。そして、その信頼関係こそが、困難な時期を乗り越える力となるのです。
信頼関係構築のための具体的なステップ
中小零細企業の経営者の皆様、銀行との信頼関係を築くのは一朝一夕にはいきません。しかし、計画的かつ継続的な取り組みによって、着実に関係性を改善できるのです。以下に、具体的なステップをご紹介します。
情報開示の徹底
定期的な財務情報の提供は信頼関係構築の第一歩です。月次試算表、資金繰り表、そして年度の事業計画を積極的に共有しましょう。これにより、銀行側も貴社の現状と将来性を適切に評価できるようになります。
経営課題の共有と改善計画の提示
問題が発生したら隠さず、早期に銀行と共有し、同時に具体的な改善計画を提示することが重要です。この姿勢が、銀行との信頼関係を深める鍵となります。
定期的な面談の実施
四半期に一度など、定期的に銀行担当者との面談の機会を設けることをおすすめします。この場で、業績報告だけでなく、業界動向や将来の展望についても意見交換をしましょう。
銀行の要望への迅速な対応
銀行からの資料要請や質問には、可能な限り迅速かつ丁寧に対応することが大切です。これは貴社の誠実さと協力的な姿勢を示すことになります。
専門家の活用
財務や経営戦略の面で課題を感じる場合は、財務専門家のアドバイスを積極的に取り入れることも検討しましょう。これにより、銀行に対してより説得力のある提案や報告ができるようになります。
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Win-Winの関係を目指して
銀行との関係構築は、一方的なものではありません。互いの立場を理解し、協力し合うWin-Winの関係を目指すことが、真の信頼関係につながります。
ここまでご紹介したステップを実践することで、銀行は単なる資金提供者ではなく、貴社の成長を支える重要なパートナーとなるでしょう。このような関係性は、景気の変動や予期せぬ困難に直面した際にも、大きな支えとなります。
最後に強調したいのは、継続性の重要さです。一時的な取り組みではなく、日々の経営の中に組み込んで継続的に実践することが、銀行との強固な信頼関係につながります。
銀行との関係改善は、貴社の安定した成長と発展の基盤となります。今日から、新たな一歩を踏み出してみませんか?
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