経営改善計画の必要性と405事業の活用について
「経営改善計画」という言葉を聞いて、経営者の皆様はどのような印象をお持ちでしょうか。「作成したことがある」という方もいれば、「作成したことがない」という方も多いのではないでしょうか。
弊社で実施した独自メルマガ読者アンケートによると、実に約62%の経営者が「経営改善計画を策定したことがない」と回答されています。その理由として、「作成の仕方がわからない」「必要性がわからない」「費用が捻出できない」といった声が多く聞かれます。
経営改善計画はなぜ必要なのか
先日、ある経営者の方から「経営改善計画はなぜ必要なの?」というご質問をいただきました。経営改善計画は、企業が抱える経営課題を明確化し、持続可能な経営を目指すための具体的な行動指針を示すものです。
具体的には以下の目的があります。
経営の現状把握
企業の財務・業績・業務の課題を洗い出し、経営者自身が自社の問題点を正確に把握できるようになります。赤字や資金繰りの悪化の原因を明確にすることで、適切な対策を講じることが可能になります。
再建・再生への道筋を立てる
売上改善、コスト削減、資金繰り改善など、具体的なアクションプランを策定し実行に移すためのツールとなります。「いつまでに、何を、どうするか」を明文化することで、計画的な改善が可能になります。
金融機関との信頼関係構築
金融機関に対して、自社が再建意欲と実現可能な改善策を持っていることを説明するツールとして活用できます。リスケジュールや追加融資を受ける際の重要な資料となります。
外部支援制度の活用
早期経営改善計画や405事業などの制度を活用すれば、専門家の支援費用の補助を受けることができます。
費用負担の軽減策:405事業の活用
「経営改善計画の必要性は理解できるが、資金繰りが厳しい時に作成費用の捻出が難しい」という経営者の声をよく耳にします。そのような場合に活用していただきたいのが「405事業」です。
405事業とは、正式には「中小企業活性化協議会を活用した再生支援」と呼ばれ、中小企業庁が所管する再生支援制度の一つです。
405事業の概要
対象企業
債務超過や資金繰りの悪化など、経営改善や再生が必要な中小企業・小規模事業者が対象となります。リスケジュールを実施している、または予定している企業も含まれます。
支援内容
- 経営課題を整理し、再建に向けた現実的な計画づくりを支援
- 金融機関との調整により、返済条件変更や債権放棄などの合意形成をサポート
- 計画の進捗確認と必要に応じた見直しや助言を継続的に実施
主なメリット
- 経済産業省(中小企業庁)による公的支援で、費用の大部分を補助
- 第三者機関が主導するため、金融機関との利害調整がスムーズ
- 複数の金融機関との協調支援が可能
- 必要に応じて債権放棄やDES(債務の資本化)なども検討可能
費用負担
一部自己負担がありますが、多くの場合は国の補助により費用の3分の2以上が賄われるため、経営者の負担を大幅に軽減できます。
活用時の注意点
おわりに
経営改善計画の策定は、企業の持続的成長と再生にとって不可欠なプロセスです。費用面での懸念がある場合でも、405事業などの公的支援制度を活用することで、負担を軽減しながら質の高い計画を策定することが可能です。
経営課題を抱えている経営者の皆様、まずは現状と向き合い、どのような方向性で企業を導いていくかを決断することから始めましょう。専門家のサポートを受けながら、実効性のある経営改善計画を策定し、企業の再生・発展を目指していただければと思います。
エクステンドでは、経営者様からの無料相談を受け付けています。経営改善計画の策定、405事業の活用、リスケジュール対応、資金調達、銀行返済・資金繰りなどの財務でお悩みでしたらお気軽にご相談ください。まずは下記バナーより「無料相談」をご利用ください。財務コンサルタントが親身になって対応致します。