赤字決算でも銀行融資を受けやすくする方法について
日本企業の約65%が赤字決算を計上している現在、多くの経営者が「赤字でも銀行融資を受けられるのか」という悩みを抱えています。結論から申し上げると、赤字決算でも条件次第で銀行融資を受けることは可能です。
本記事では、赤字決算企業が銀行融資を成功させるための具体的な方法と、融資審査で重視されるポイントについて詳しく解説します。
目次
赤字決算企業の現状と融資可能性
日本の赤字法人の実態
国税庁が2024年に公表した「国税庁統計法人税表」によると、2022年度の全国普通法人約292万社のうち、赤字法人(欠損法人)は約189万社に上ります。これは赤字法人率64.8%という数字で、日本企業の約3分の2が赤字決算を計上していることを示しています。
産業別赤字法人率
業種 | 赤字法人率 | 特徴 |
---|---|---|
小売業 | 71.3% | 競争激化、消費低迷の影響 |
製造業 | 68.0% | 原材料高、設備投資負担 |
その他業種 | 60%~65% | 業種により変動 |
※節税対策として意図的に利益調整を行っている企業も含まれるため、実質的な経営困難企業の比率はこれより低いと考えられます。
赤字決算でも融資を受けられる理由
銀行が重視するのは「返済能力」と「事業の継続性」です。単年度の赤字だけで融資を断られることはありません。重要なのは、赤字の原因と今後の収益見通しを明確に説明できるかどうかです。
赤字決算で融資を受けやすい4つのケース
1. 一時的な赤字で早急に解消される場合
特徴
- 外部環境の変化による一過性の売上減少
- 特定の大口取引先との契約終了
- 設備故障による生産停止などの一時的要因
対策:具体的な赤字解消時期と根拠を示す
2. 減価償却費計上による赤字の場合
特徴
- 営業キャッシュフローは黒字
- 減価償却費を除けば実質的に利益が出ている状況
- 設備投資積極企業に多いパターン
対策:キャッシュフロー計算書で資金の流れを説明
3. 創業期に起こる場合
特徴
- 事業立ち上げ段階での先行投資
- 顧客獲得コストの先行発生
- 認知度向上のための広告宣伝費
対策:事業計画書で将来の収益性を明確に示す
4. 設備投資や新規事業等先行投資による赤字の場合
特徴
- 将来の売上拡大を見込んだ戦略的投資
- 新商品・新サービス開発のための研究開発費
- 市場拡大のための人員増強
対策:投資効果の定量的な説明と回収計画の提示
銀行融資を受けるための必須資料と説明ポイント
事業計画書の作成ポイント
必須記載事項
項目 | 内容 | 重要度 |
---|---|---|
赤字の原因分析 | 具体的で客観的な要因の特定 | ★★★ |
赤字解消の対応策 | 実行可能で具体的な改善計画 | ★★★ |
黒字化の時期 | 現実的で達成可能なスケジュール | ★★ |
数値的根拠 | 売上予測、コスト削減効果の定量化 | ★★ |
資金繰り表の重要性
記載すべき内容
- 融資実行後の売上増加見込み
- 収益構造の改善計画
- 返済計画の妥当性
- 安定的な資金繰りの継続性
融資が困難になる3つの危険信号
1. 3期連続営業赤字
継続的な赤字は事業モデルの根本的な問題を示唆するため、銀行の警戒感が高まります。
2. 大幅な債務超過
資産価値を負債が大きく上回る状況は、返済能力に対する疑問を生じさせます。
3. 不良性資産の存在
- 関連会社への回収困難な貸付金
- 資金使途不明の仮払金
- 実質価値のない資産
メイン銀行との関係性が融資成功の鍵
メイン銀行の重要性
赤字企業への資金調達支援は、基本的にメイン銀行が担う役割です。準メイン銀行や取引下位行に相談しても、「まずメイン銀行に相談してください」と言われるケースがほとんどです。
メイン銀行が消極的な場合の対処法
取引銀行の見直しポイント
- 自社の業種・規模に適した銀行の選択
- 地域密着型金融機関の活用
- 政府系金融機関の検討
融資成功率を高める実践的なアプローチ
1. 早期の相談開始
資金繰りが逼迫してからでは選択肢が限られます。余裕を持った相談開始が重要です。
2. 複数行への同時相談
リスク分散と条件比較のため、複数の金融機関との関係構築を推奨します。
3. 専門家の活用
財務コンサルタントの、銀行融資に精通した専門家のサポートが成功確率を高めます。
まとめ:赤字決算でも諦めない融資戦略
赤字決算だからといって銀行融資を諦める必要はありません。重要なのは、赤字の原因を明確にし、現実的な改善計画を示すことです。
適切な資料準備と説明戦略により、多くの赤字企業が融資を実現しています。資金調達でお困りの際は、早めに専門家にご相談いただくことをお勧めします。
赤字決算企業の融資成功のポイント
- 赤字の原因を具体的に分析
- 現実的な改善計画の策定
- メイン銀行との良好な関係構築
- 専門家による適切なサポート
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