M&Aの売り手側オーナー、代表者が業績に与える影響力
私 「社長(売り手側の社長)、現在、社長が
御社の業績に与えるインパクトってどの程度でしょうか?」
社長「そうですね。実質営業は殆ど私です!」
私 「そうですか。今回のM&Aに当たり当面は
社長も残っていただくことは可能ですか?」
社長「それが、色々とプライベートな理由があり、
それは難しいかもしれません。。」
私 「うーん。。。困った。。。」
こんな状況、想像できますでしょうか?”M&Aで事業・企業を売却する上で、何を準備しておけばいいですか?”この質問は、本当に頻繁にいただきます。
物理的に買い手候補、或いはM&Aアドバイザーに提供するものは、メルマガで以前、お伝えしたことがあるのですが、本日は、物理的な書類などとは違い、M&A譲渡するまでに、如何に「〇〇な組織」にしておくことが重要かということについてです。
買い手様からすれば、最重要ポイントの1つ
これは、売り手様が重要視していなくても、買い手様からすれば、最重要ポイントの1つであることをご紹介して参ります。
それは、オーナー兼(或いは)代表者が事業の業績に与えるインパクトです。これは、オーナー兼(或いは)代表者が事業・企業を譲渡することによっても、引退をしない場合、当面継続的に譲渡前と同様に事業・企業に関わっていくということであれば、緊急の課題とはならないかもしれません。
しかし、多くのケースは、譲渡に伴い、オーナー兼(或いは)代表者は引退をされるか、少なくとも、事業・企業への関与度が落ちます。そのような状態になった時でも譲渡以前と同様の水準の業績を維持出来るか否か?これは、買い手側にとっては、非常にシリアスな問題です。
代表者の業績に与えるインパクト
中小企業では、オーナー兼(或いは)代表者の業績に与えるインパクトは、規模の大きな企業に比べると、圧倒的に大きくなるのが一般的です。
インパクトを3つに大別すると
- 技術力
- 権限委譲
- 対外的なネットワーク
になると思います。どれも同様に重要で、一足飛びに移転できるものではありません。事業・企業を第三者に承継(M&Aで事業・企業を売却)する可能性があると認識した段階から、少しずつ始める必要があります。
技術力について
権限委譲について
対外的なネットワークについて
書くのは、簡単ですが、実施、周知、機能させることは本当に大変です。ですから、早期に始める必要があるのです。ただ、実際には、譲渡時までに、権限委譲100%完了、社長の営業0というのはほとんど無理!です。
ですから、譲渡後もオーナー兼(或いは)代表者は、キャッシュ・マネジメントという重い責任からは開放されつつも、会長、顧問、相談役などのタイトルで当面は事業に関わっていただくことにはなります。
しかし、大事なことは、ある程度、移転できていること、移転の過程・工程を買い手様に、お示しできることです。
譲渡したい!しかし、移転はこれから!となると譲渡が進まない可能性すらあることは認識しておきましょう。(その場合、オーナー兼(或いは)代表者が全く同様に継続勤務して移転完了させるということも有りえますが。)