中小企業の倒産回避して再生に持っていく事業再生の流れ
事業再生とは
事業再生とは、資金繰りが厳しく倒産寸前の状況に陥ってしまった中小企業の倒産を回避し、再生に持っていくことです。
事業再生の流れ
事業再生のスタートは、まず何よりも、経営者が「自分の会社をなんとか再生させたい。」という意志です。中小企業金融円滑化法により、金融機関の融資をリスケジュールするという手法が広まり、返済を抑えて資金繰りが「一時的」まわるようになった企業は多くあります。
しかしそれで「再生」したと言ってはなりません。あくまでリスケジュールにより資金繰りが良くなっただけのことであり、経営者は自社の再生に向け、取り組んでいかなければなりません。
リスケジュールを金融機関に申し込む際、経営改善計画書を作って金融機関に提出しますが、リスケジュールした後、経営改善計画書を振り返らない経営者が多くいます。ただリスケジュールは、将来の返済の再開に向け一時的に返済を減額・猶予し、その間にひたすら経営改善を行って利益を上げていくという目的があります。
リスケジュールはそのための、あくまで手段でしかありません。しかし返済を止めることが目的であると勘違いしてしまった経営者は、リスケジュールできたことで安心し、経営改善を怠り、経営改善がかなわないまま2~3年過ぎれば、金融機関は見切りを付け、リスケジュールの更新をストップしてしまうことも多く見受けます。
資金繰り・資金調達など財務でお困りの方は「無料相談」をご利用下さい。
2つの意味がある事業再生
事業再生という言葉には2つの意味があります。「債権放棄型事業再生」と「経営改善型事業再生」です。事業再生という言葉はここ10数年で広まった新しい言葉であり、その言葉の意味はまだ明確に定まっていないように思われます。
債権放棄型事業再生とは
債権放棄型事業再生とは、金融機関に債権放棄してもらい、負債をすっきりさせたところからスタートする事業再生です。債権放棄を行う際は、第二会社方式という手法をよく使われます。会社を分割し、一方の会社に債務を残してその会社を破産させることにより実質的に債務免除し、もう一方の会社で再生していく、という方法である。
しかしこの手法は、地方銀行や信用金庫などの地域金融機関はやりたがらない。なぜなら、1社に対し債権放棄すると、そのウワサが地域に広まります。そして「うちも、うちも。」と、債権放棄をしたい会社が続出する。そうすれば、秩序が保てなくなってしまいます。そのため、債権放棄型事業再生というやり方は、手法としては存在しても、実際に実行できるのは、厳しい状況の陥ってしまった中小企業のうち数%に限られてきます。
しかし金融機関に債権放棄してもらえなければ、会社は再生できないのだろうか。いや、そんなことはありません。そもそも金融機関に経営改善計画書を提出しているのであるから、経営改善の方法を経営者は考えている。ひたすら経営改善を行い、利益を大きくしていけば、事業で稼ぐ現金は増えていき、資金繰りがまわるようになっていき、再生の方向に向かっ ていくことができます。
今、営業利益が赤字、つまり事業自体で赤字であっても、問題ない。
経営改善を行って早急に黒字化すれば、会社は倒産させることなく、再生に向かって進んでいけるからです。その経営改善のやり方のヒントが、下記の「事例集」にはたくさん書いています。
この事例集の中心は経営改善型事業再生の事例であるが、債権放棄型事業再生の事例やM&A事例も載せています。
莫大な負債を抱えてしまった企業、連続赤字の企業、税金や社会保険の滞納が数千万円ある企業、粉飾決算で融資を受け続けた企業。あなたの会社より、ひどい状況の会社は世の中にたくさんあるものである。しかしそんな状況の会社でも、再生に向かって進んでいっていることを、あなたに知っていただき再生を実行した頂きたいです。