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ターゲットという考え方のワナ

2011年5月7日号

ターゲットという用語の意味

ターゲットという言葉。これは、マーケティングにおいてよく使われる用語
であり、見込み客の開拓のために、どの層をねらっていくか、ということを
表す時に使われる用語です。

例えば、BtoCでは、

「20代の女性」
「大阪府に住むファミリー」

BtoBでは、

「飲食業の企業」
「現在の税理士に不満を持っている企業」

というように、自社の商品やサービスを売っていく時に、どのような客層に
対し重点的にアプローチしていくか、ということを考えるときに、ターゲッ
トとしてこのように考えていくことになります。

ただ、このターゲットという言葉、使われ方一つで、企業の将来の可能性を
大きく摘み取ってしまうことにもなりかねません。

ターゲットという考え方の使い方を間違えてはならない

ターゲットを、1企業や、1事業レベルで考えるのは、ダメな考え方です。

弊社自身の例を挙げます。

弊社は、事業再生、売上向上、この2分野のコンサルティングを行う会社
です。

これは、私が実際に経験したことなのですが、事業再生コンサルティングに
おいて、このサービスの拡販を行おうとしてPR会社などに、弊社から相談
することがあります。

その時に、PR会社の営業マンからよく聞かれるのが、
「業種は、どこをターゲットにしていますか?」
ということなのです。

弊社は、業種特化型のコンサルティング会社ではありません。全ての業種に
おいてコンサルティングを行う会社であります。

そして、そのことを、PR会社の営業マンに説明します。

しかし、

「いや、ターゲットは決めていただかないと。」

と、言われてしまうのです。

確かに、マーケティングの教科書においては、ターゲットを決めて、それに
アプローチを行うよう、よく伝えられています。

しかし、実際の経営者の感覚としては、ターゲットを「しぼる」というより
も、「広げる」という感覚ではないでしょうか。

年商が1億円未満の企業であれば、ターゲットを限定して、そこに対し
徹底的に営業をかけていく、というやり方も、売上を1億円に乗せるため
にはとることのできる一つの選択肢です。

ただ、年商1億円を超える頃になると、ターゲットを「しぼる」というより
も「広げる」ということを行っていかないと、売上の伸びは止まってしまう
ことになります。

ターゲットという考え方はこのように使う

とるべきやり方としては、弊社の例で言うと、

・飲食業向けの事業再生コンサルティング
・製造業向けの事業再生コンサルティング
・建設業向けの事業再生コンサルティング


というように、ターゲットはあらゆる業種としながら、見込み客に対しての
見せ方としては、業種特化でコンサルティングを行っているように見せる、
そのようなやり方をとるべきなのです。

見込み客に対しての見せ方を考えるために、ターゲットを決めることはよい
のですが、実際の見込み客開拓にあたって、業種を絞ってはだめなのです。

例えば、不動産業だとしたら、学生街にある不動産屋さんとして学生を
ターゲットにしているからといって、ファミリー客がお店に入ってきたら、
「うちは学生特化でやっているので」と追い返したりするでしょうか。

例えば、システム開発業だとしたら、飲食店向けシステムを開発していて
飲食店をターゲットにしているからといって、建設業の企業が相談して
きた場合、「うちは飲食店向けしかやっていないので」と断ったりするで
しょうか。

そうではありませんよね。

この例でいえば、不動産業においてファミリー客が来たら、ファミリー客
向けの販促の仕方を考えて、今後ファミリー客も取り込んでいく流れを作る
べきですし、システム開発業において建設業が来たら、これを機会に建設業
向けのシステム開発を行っていくべきです。

ターゲットをしぼる、という考え方は、将来の売上を限定させてしまうこと
になるため、実は大変危険です。

ただ、マーケティングの教科書では「ターゲットをしぼりましょう。」と
いうようなことが書いてあるから、それを読んだ経営者の多くが、間違った
考え方をしてしまいがちになるのです。

ターゲットは、しぼる、というよりも、広げていくべきです。

見込み客に対しての見せ方においてのみ、ターゲット、という考え方を
とっていくようにします。

 

売上を向上させていくためには、ターゲットは広げていく、という考え方を
とることが重要です。

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