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売上を上げるために重要な顧客維持の考え

顧客維持率の考え方

ある統計ですが、顧客維持率が高い企業ほど、利益水準は高い傾向にある、というデータがあります。顧客維持率とは、顧客から、いかに契約解除されないか、いかにリピートされるか、いかに変わらない水準で受注できるか、ということです。

 

例えば保険代理店であれば、顧客が100件あったとして、年間の保険契約解除が3件だったら、顧客維持率97%、顧客離反率3%となります。

 

例えば美容室だったら、同じお客さんが1ヶ月に1回来店するとして、年の始めの来店者300名のうち、年の終わりまで来店する人が120名とすると、顧客維持率40%、顧客離反率60%となります。

 

例えば下請けの製造業だったら、受注先A社からの受注が、前年3000万円、本年1800万円だったら、A社においての売上減少率40%となります。

 

業種によって計算方法は違いますが、顧客維持ができている状態は、保険代理店であれば年の始めの顧客が、年の終わりまでいかに契約解除されず継続しているか、美容室であれば年の始めの顧客が、年の終わりまでいかに継続的に来店しているか、下請けの製造業であれば、ある受注先からの受注が、前年比減少せずに維持できているか、ということになります。

 

多くの企業は、新規にいかに顧客を獲得するか、ということばかりに目がいってしまいます。しかし、企業が売上を維持、もしくは売上を向上させていくためには、新規顧客の獲得とともに、既存の顧客をいかに維持できるか、が重要となります。

 

顧客維持できている企業とできていない企業の比較

例えば、学習塾の例をあげます。

年の始めに、200名の生徒がいたとします。

 

顧客維持率が90%であれば、顧客離反率が10%となり、年末までに20名の生徒が離反してしまうので、顧客数(生徒数)を維持するためには、年間で新規生徒を20名獲得することが必要です。

 

一方で顧客維持率が60%であれば、顧客離反率が40%となり、年末までに80名の生徒が離反してしまうので、顧客数を維持するためには、年間で80名の新規生徒を入れる必要があります。売上を維持するために、20名の生徒だけ新規で確保すればよいのか、それとも80名の生徒を新規で獲得しなければならないのか。

 

顧客維持率が60%の企業は、顧客維持率が90%の企業に比べて、4倍も新規顧客を獲得しなければ、売上を維持することができません。

4倍も集客を行うことがいかに大変か、言わずもがなです。

 

多くの会社は、売上を上げるには、いかに新規で顧客を獲得するか、ということばかりに目がいってしまいがちです。しかし、本当に売上を上げるために重要なことは、新規で顧客を獲得することとともに、いかに顧客を維持できるか、ということです。

 

また、新規顧客獲得にかかるコストは、既存客から売上を上げるコストに比べて、4倍〜12倍高い、ということが言われています。既存客から継続的に売上を上げるための取組が、新規で顧客を獲得する取組に比べて、コストはずっと安いのです。

 

顧客維持率が高い企業は、低い企業に比べて、売上を上げるためにかけるコストは大きく抑えられます。ということは、顧客維持率が高い企業の方が、大きく利益を出すことができる、ということになります。

 

新規顧客獲得ばかりを追ってはいけない

一つ例をあげます。

 

私の会社は、コンサルタントの募集を定期的に行っているのですが、ある時、人材紹介会社B社を使って採用を行ったことがありました。その会社B社の営業マンは、私の会社がB社に仕事を依頼するまでは、毎月、私の会社に訪問したり、電話したりするなど、アプローチを行っていました。

 

採用を積極的に行っている私の会社としては、アプローチが来たら話を聞いていて、やがてタイミングが来て、B社に人材紹介を依頼し、採用を行いました。

 

しかし・・・

 

その後、B社の営業マンは、私の会社に、ぱたりと来なくなりました。

 

このたび、また採用の機会があったのですが、積極的に声をかけてきた別の会社に依頼しました。B社の営業マンは、1回取引を行った後も、継続的に私の会社に声をかけていれば、また取引ができたはずです。しかし、1回取引ができたことに満足し、次の時は、私の会社から声をかけてくれるだろう、とでも思ったのでしょうか。

 

これは、新規顧客獲得ばかりを重視し、顧客維持のための取組を怠ったばっかりに、顧客の離反を招いてしまった例です。おそらくこのB社は、営業マンの評価は、新規顧客獲得が重視され、顧客の維持は軽視されていたのでしょう。

 

毎月、私の会社にアプローチしてきた努力が、これで水の泡です。このように、顧客をいかに維持するか、というのは、売上を維持、そして売上を向上させていくためには、重要なこととなります。

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