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メイン銀行が絞る場合、他の銀行はその会社に融資を出すことを警戒します。

私が銀行員時代、上司や先輩から教えてもらった融資審査にあたって考えることの一つに、メイン銀行や他の取引銀行の、融資状況を見る、というのがあります。銀行員は、融資を出している企業には3ヶ月に1回、各銀行の融資残高の推移を聞くように、言われます。

 

それはなぜ行うかというと、他行の状況を見ることによって、融資審査に生かしていくためです。特に、メイン銀行の状況を見ることが、融資審査においては重要になってきます。

 

メイン銀行とは、融資をもっとも多く出している銀行のことを通常は言いますが、一概にそう言えるのではなく、例えば昔から長いつきあいがあって担保も多く入っている銀行や、売上入金や他の取引は全部その銀行に集中させている銀行など、定義は絶対、と言えるものはなく、なんとなくここはメイン銀行ではないか、というような感覚で、とらえられます。

 

メイン銀行や準メイン銀行の融資総額の動きを見て、それがずっと減少傾向にある場合。その場合、他の銀行はその会社に融資を出すことを警戒します。

 

なぜメイン銀行が融資を絞ってきているのか。それは、この企業に何か問題があると、メイン銀行は見ているのではないか。メイン銀行が融資を出さないとなると、その企業がよほど利益を上げているのではないかぎり、資金繰りは立ち行かなくなります。将来、資金繰りが立ち行かなくなることが目に見えている企業には融資は出せません。

 

メイン銀行ではなく、サブの銀行や新規の銀行が融資を出しても、それらの銀行がメイン銀行に取って代わるぞ、というスタンスでないかぎり、どうしても限界があります。

 

最近多いパターンは、

 

メイン銀行が融資を絞ってきている

三井住友銀行や三菱東京UFJ銀行、他、新規の銀行がとびこんできて、ビジネスローンを貸してくれる

それらの銀行も融資をしてくれなくなり、日本振興銀行や東京スター銀行などから融資を受ける

それ以降、もう手がなくなる

 

というパターンです。メイン銀行が融資を絞る以上、他の銀行から融資を受けられても、限界があるのです。だから、銀行は融資審査において、他行の融資の動き、特にメイン銀行や準メイン銀行の融資総額の推移を、気にするのです。

 

メイン銀行や準メイン銀行が融資を絞っていたら、いずれその会社の資金繰りは詰まります。だから、他の銀行も融資審査は厳しくなります。

 

しかし、ビジネスローンはそうではありません。ビジネスローンは、人間の目ではなく、コンピュータの審査です。メイン銀行や準メイン銀行が融資を絞ろうと、決算書を分析して良い点数が出れば、そんなことは知ったことではありません。

 

そこが、コンピュータ審査の弱点です。新銀行東京が厳しい状況に陥っているのも、それが大きな理由でしょう。融資審査は、コンピュータ審査に頼りすぎてはだめなのです。コンピュータは、簡単にだませますから。そのため、メイン銀行や準メイン銀行が融資を絞っても、ビジネスローン(コンピュータ審査の融資)であれば、融資は出るのです。

 

しかし、最近はビジネスローンの貸し倒れも多くなり、その反省から人間の目も多く加わっているようで、コンピュータ審査で良い点数が出たからと、融資が簡単に出るわけではありません。メイン銀行や準メイン銀行の動きも、人間の目で見られているのではないでしょうか。

 

そのため、メイン銀行や準メイン銀行が融資を絞っている会社は、他行からも融資が出なくなり、一気に厳しい状況に陥ってしまいます。あなたの会社がメイン銀行や準メイン銀行から融資を絞られているのであれば、早急に対策を考えていく必要があるのではないでしょうか。

 

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