机上の空論
私や私の会社のコンサルタントが、厳しい状況に陥ってしまった中小企業の立て直しのために、経営者と話をしていくなかで、一番聞きたくない言葉があります。
それは、経営者からの
「そんなこと、机上の空論であって、できないでしょう。」
という言葉です。
なぜか、コンサルタントが発する言葉は、「机上の空論」という言葉で片付けられてしまうことが多いですが、本当にそれでいいのでしょうか。
私たちの会社は、事業再生のコンサルティングで、今まで200社近くの企業の再生を手がけてきています。その中で得てきた経験、ノウハウを、今目の前にいる会社に生かそうとしています。
本だけで読んだ机上の空論ではありません。実践の中で裏づけのあることです。
それを、簡単に「机上の空論」という言葉で、片付けられてしまいます。
言っておきますが、「机上の空論」で片付けられてしまえば、そこで思考は停止してしまいます。
「机上の空論」という言葉を使ってしまえば、そこからなんの、発展も改善も生まれません。
「机上の空論」という言葉を簡単に発信してしまう経営者は、考え方が間違っています。まずはそこから、変えていかなければなりません。
会社再生に向けての話合いで出たことを素直に受け止めて、それを実行していくにはどうすればよいか考えていくことのできる経営者と、それを「机上の空論」という言葉で終わらせて、そこから何も考えようとしない経営者、どちらの会社が、自分の会社を立ち直らせることができるでしょうか。
厳しい状況に陥ってしまった会社の立て直しには、経営者自身が変わらなければなりません。
また、会社の立て直しは本当に地道な作業です。それさえ行えば全ての問題が解決するような、特効薬や裏技なんてありません。
だからこそ、会社の立て直しのために、一つ一つを実行していかなければならないのです。
「机上の空論」という言葉で片付けるのではなく、一つ一つの問題解決策に取り組んでいくことが、経営者に何よりも求められます。