銀行から聞かれたことのないことを聞かれた
中小企業経営者の方からご相談いただいていて、よく質問されるのが、
「融資を受けている銀行からこんなことを聞かれたんだけど、銀行は何を意図しているのか?」
ということです。
融資を受けている銀行から、今まで聞かれたことのないことを聞かれると、経営者としては不安に感じられることでしょう。
例えば、今まで言われたことがないのに、次のようなことを銀行から言われた場合、
・最近の試算表を提出してほしい。
・他銀行の借入明細を見せてほしい。
経営者としては「今まで言われたことないのになんで?」と、不安に思うことでしょう。
しかし銀行からすれば、融資先企業の管理、もしくは融資申込みにあたっての審査のために、必要なことを聞いているにすぎないことが多いのです。
○最近の試算表を提出してほしい。
融資先の最近の業況チェックのために、銀行は融資先企業から、定期的に試算表の提出を受けてそれをチェックしようとします。
試算表を今まで提出していないのであれば、その方が珍しいことなのです。
融資を受けている銀行に対して、銀行から言われなくても試算表を出すと、銀行からの信頼は高まることでしょう。
○他銀行の借入明細を見せてほしい。
他行がどのように融資をしているのかを見ることは、銀行員にとっては基本中のキと言えるぐらい、重要なことです。
他行は融資を絞ってきているのか、もしくは他行は積極的なのか。
他行が積極的に融資を出しているのならまだしも、融資を絞ってきているのなら、その企業の資金繰りは厳しい方向に向かい、要警戒、ということになります。
他行の借入明細はどうなのか、時系列で見てどうなのかは、銀行が融資先企業に、当たり前に聞くことなのです。
今まで聞かれなかったことの方が珍しいのです。
他にも、今まで聞かれたことのないいろいろなことを聞かれることがあろうと思います。
それを、経営者としては「銀行は何を考えているのだろうか・・・」と、疑心暗鬼になってしまいがちですが、たいていの場合は、銀行が知っておくべき、当たり前のことを聞いているだけ、ということです。
不安に思わないで、正々堂々と答えましょう。