経営者のあるべき仕事・行動のスケジュール
経営者の今の仕事・行動が1年後の会社を左右する
私がいつも思うこと。それは、企業の1年後、3年後の姿は、経営者が、現在どのような仕事を行っているか、それに左右されるのではないか、ということです。
現在どのような仕事を行っているか、それが分かるようにするためにまずやるべきことは、経営者が自分自身の行動記録をとること、です。
例えば、次は、私の2月15日(月)の行動記録です。
仕組み |
10:40 – 13:35 |
職務権限一覧見直し |
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|
13:35 – 13:45 |
電話打合せ・社員S |
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13:45 – 13:50 |
電話打合せ・社員S |
新規B |
15:00 – 18:00 |
原稿執筆 売上向上マニュアル |
マーケ |
18:45 – 21:00 |
インポート作業 |
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21:00 – 21:25 |
電話打合せ・社員O |
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21:30 – 22:55 |
セールスフォース効率化 |
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22:55 – 23:25 |
セールスフォース・「申込人立場」入力作業 |
「仕組み」「新規B」「マーケ」の言葉の意味は、後ほど説明します。
経営者の行うべき行動・仕事
まず経営者としては、会社を良くしていくための仕事、会社を伸ばしていくための仕事を中心にやらなければなりません。経営者の限られた仕事時間の中で、増やしていくべき仕事は会社を良くしていくための仕事、会社を伸ばしていくための仕事です。
一方、減らしていくべき仕事は、日常業務、事務作業、などです。これらは社員に任せていきます。
経営者自身では、会社を良くしていくための仕事をやっているつもりなのかもしれませんが、上記の例のように、細かく行動記録をとってみると、自分の想像していた時間の使い方とは大きく離れた、実態の時間の使い方が分かるはずです。まずは1カ月間、経営者は行動記録をつけてみましょう。
行動記録を付け続けるコツは、
1. |
行動を行ったら必ずその場で記録を付けること。 |
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2. |
1つの行動を始める時、終える時に、必ず時計を見ること。 |
です。1週間、がんばって行動記録を付け続けると、行動記録をとることは習慣化できますので、後は行動記録を付けるのは楽になるはずです。
次に、過去1カ月間の行動記録を見直してみます。そして、その行動記録を分類し、どの分類に、どれだけの時間をかけたかを計算してみます。ちなみに私の場合
A.会社を良くする仕事、会社を伸ばす仕事
A-1 |
マーケティング |
→ 上記私のスケジュールで「マーケ」で表示(ここでは、見込み客を集客することにつながる仕事を言うのであり、決して自分が営業を行う仕事、つまりセールスのことを言うのではない。) |
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A-2 |
社内体制の仕組み作り |
→ 上記私のスケジュールで「仕組み」で表示(組織が機能していくための、組織作り、管理者養成、規程・マニュアルや申請書整備など) |
A-3 |
新規ビジネスの構築 |
→ 上記私のスケジュールで「新規B」で表示(次の売上の柱を立ち上げ、大きくするための準備作業) |
B.A以外の仕事
B-1 |
申請書類の回覧など事務作業 |
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B-2 |
メールチェック |
B-3 |
弊社にくる営業マンから営業を受けること |
B-4 |
見込み客や顧客と直接会ったり電話したりするなどの営業活動 |
B-5 |
講演活動 |
B-6 |
Aには結びつかない社内会議や打合せ(結び付く仕事はAの仕事とする) |
というように、分けています。みなさんも、AとB、つまり会社を良くする仕事、会社を伸ばす仕事であるか、そうでないかで、分けてみてください。言い方を変えると、Aは経営者が中心にやらなければできない仕事、Bは経営者でなくてもできる仕事、というように分けることもできます。
例えば見込み客に会って営業をかけたり、もしくは既存客のフォローの仕事は、経営者の仕事ではなく営業マンの仕事です。経営者がその仕事をやると、会社は伸びていくことができません。それよりも経営者は見込み客を集客する仕組み作りを行うべきであり、あとのセールス(営業)は、社員ができるようにしていくと、会社を伸ばしていくことができます。
経営者の仕事・行動をどう変えていくか
そして、経営者の時間の使い方が、Aの仕事が多くなるように、Bの仕事が少なくなるように、していきます。1カ月間、行動記録をとってみると、いかにBの仕事に時間をとられているか、分かると思います。
「この仕事は自分(経営者)でなくてもできる仕事ではないか?」
という視点で、過去1カ月の行動記録から、振り返り、そして次の1カ月に生かしていくのです。次の1カ月に生かすためには、次の1カ月の、スケジューリングを行うことが必要となります。またこれは、「経営者」の時間の使い方であって、「社員」の時間の使い方ではありません。
「社員」は、Bの仕事が多くあるのが通常です。ただ、「社員」でもAの仕事が増えてくると、その会社は強い会社となります。経営者としての仕事ができる社員が増えてくることにつながりますから。そのためにも、経営者が早くAの時間の有効な使い方を覚えて、社員に伝授していけるようになることが望ましいです。
一方、Bの仕事のテーマは、「効率化」です。
私は今度、社員にマイクロソフトオフィスの資格をとってもらおうか、と考えています。なぜならその資格をとることにより、スキルが身につき、仕事は倍、効率的になると思うからです。それを実証するために、現在私自身が、その資格をとるための勉強をしているところです。
効率化できれば、同じ時間で倍の仕事ができるようになるので、人件費が削減でき、社員給与にも還元でき、また社員がAの仕事にとれる時間を増やすことができることになります。
ただ、社員がAの時間を使うのであれば、本当に成果を出してもらう必要があります。
なぜなら、Aの仕事は、後でじわじわ効果が表れてくる仕事だからです。そんな成果を出すことができない社員が、Aの仕事を行うと、人件費ばかりがかさむことになります。それよりもその社員には、Bの仕事を行ってもらう方が、会社の生産性としてはよほど良いことになります。
社員がAの仕事で成果をあげてもらうことができるよう、経営者としては教育をしていくべきですが、どうしても不向きの社員もいますので、そのような社員はBの仕事をしてもらうことにより、会社としての生産性を上げていきます。
また、厳しい状況の会社においては、経営者の仕事は「資金繰り」「銀行対応」という、Bの仕事にとられているケースが多いです。その場合、早く資金繰りの不安を少なくし、また銀行の協力を取り付けている状態にすることにより、「資金繰り」「銀行対応」にとられる時間を少なくし、Aの仕事にかけられる時間を増やしていきます。
そのためにも、厳しい状況の会社はどうしていけばよいのか、弊社にご相談に来てほしいのです。まずは下記バナーより「無料相談」をご利用ください。財務コンサルタントが親身になって対応致します。
とにかくまずは、経営者が行動記録をとり、自分の時間の使い方を、会社を良くする仕事、会社を伸ばしていく仕事にいかに注げるか、それを考えて実践していくと、その会社の1年後、3年後、その会社は良い方向に向かっていくことでしょう。