信用保証協会の攻略法1
信用保証協会保証付融資の流れ
協会付融資の流れのイメージは1.~8.になります。
1. |
融資を受けたい企業から、協会融資の申込みがなされます。 |
---|---|
2. |
担当行員が借入申込書を作成して、「渉外担当⇒渉外役席⇒融資担当⇒融資役席⇒支店長」と借入申込書が回覧されて支店内決済がなされます。(所要日数イメージは3日程度) |
3. |
支店内決済で本案件の取扱いを認める場合は渉外担当行員が取引先に支店内決済が下りた旨を伝えて、協会の申込用紙に署名捺印をいただきます。書類を預かってから金融機関の所見に取引先の取引状況や業況などを記入し、職印(銀行の支店長印)を押印して協会に書類を送付します。(所要日数イメージ3日程度) |
4. |
協会に書類が届き保証課の担当者が審査に入ります。事前審査として申込人の協会利用残高・既保証返済状況を確認します。仮に、今回の申込金額+既保証残高の合計が保証限度額超過の場合や直近1年間において月超え延滞が定期的に発生したり、保証申し込み時点で延滞がある場合は保証限度額内での再申込みや延滞解消をしない限り審査はしてくれません。次は申込み案件の本審査に入りますが、申込金額が企業規模に合っているのか、お金の使い道の妥当性があるのか、直近の決算状況・決算から3ヶ月を超えている場合は試算表を精査して申込人の返済可能性を判断します。また、許認可対象業種の場合は許認可取得の有無や有効期限を必ず確認します。以上の内容を総合的に判断して問題ないと判断した場合は上司の保証課長に申請を上げて決裁がなされます。(所要日数イメージは一概には言えませんが、2~3週間程度が一般的と言われております。) |
5. |
保証決定のお知らせについては原則、申込銀行に保証書を送付します。(所要日数イメージは3~5日程度) |
6. |
保証書が申込銀行に到着してから融資係が銀行本部に融資の稟議書を作成します。(所要日数イメージは3日程度) |
7. |
本部の審査部が稟議書の審査をします。(所要日数イメージは2日程度) |
8. |
本部稟議が可になって融資実行になります。(所要日数イメージは2日程度) |
この一連の流れを見ていただいても分かるように、協会をからませた融資の場合は通常のプロパー融資と比較しても3.~5.の部分の工程が必要になりますので、2~3週間程度の時間が余分にかかってしまいます。
このように融資実行までにどうしても時間を必要としてしまう協会付融資ですが、4.の時間を短くする方法がないわけではありません。
保証付融資の審査期間の短縮を図る方法
それではどのようにして時間圧縮を図るとよいのでしょうか。
まずは保証協会に定期的に訪問するように心掛けて下さい。
現・元の銀行員や銀行出身の調達系のコンサルタントにそのあたりの話を聞いてみると、融資をするのは銀行なので、絶対に協会には行かない方が良いとおっしゃる人が多いのですが、私は現役時代から、融資先企業には協会に行くように勧めていました。
ちなみに銀行員は融資先企業のことを全て理解している訳ではありません。
建設業や小売業であれば新米行員でもイメージがだいたいつかめると思いますが、複雑な業種になると、なかなか、保証協会の担当者に説明できないのです。
しかしながら銀行員はプライドが高く、融資先企業に、分からないことを聞けない性向が多分にあります。
その中で銀行員が、融資先企業のポイントを協会に上手く伝えることができなくて、保証協会から保証が得られなかったことをよく聞きます。
信用保証協会に行ってみよう
ですからこのようなことがないように、年に1回は決算書ができ上がった段階で、必ず訪問をするように心掛けて下さい。
また、みなさんの地域に所在している協会のホームページを確認したことがありますか?
各地の信用保証協会のホームページには、企業の方の訪問は理由のいかんに限らず認めません、というようなことは書かれていないはずです。
逆に気軽に訪問して下さいと書いてある信用保証協会のホームページも見ます。
ですから定期的に保証協会に訪問して、自社の内容を直に伝えておきながら融資申込みをしていれば、協会の担当者も濃い情報収集ができるようになりますので、審査スピードが速くなる場合があるのです。
最新のコラムやQ&A、ニュースレターは、無料メルマガ「銀行とのつきあい方」でお届けしております。銀行の動向、資金調達、資金繰り改善、補助金、経営改善、スモールM&A等に関する情報を取得いただけます。下記のバナーよりご登録ください!