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リスケ中に新規融資ができるようにする方法

リスケジュールをした後に新規融資を受けるには

私は事業再生コンサルタントをする前は、京都の繊維商社で取締役管理本部長として財務部門と総務部門を統括しておりました。私が初めて金融機関とリスケジュールの交渉をしたのは、繊維不況のまっただ中、大手の問屋が次々と倒産した頃のことです。

 

たまたま書店で見つけたリスケジュールのマニュアル本を頼りに説明用の資料を作成して、まずメインバンクである地方銀行へ交渉に行きましたが当時の地方銀行の担当者はリスケジュールの意味が理解できず、門前払い同様の扱いを受け、ひじょうに苦い思いをしました。

 

その当時と、おととし12月に施行された金融円滑化法案によってリスケジュールが簡単に行えるようになった現在とでは隔世の感がいたします。ただ、いくら(比較的)簡単にリスケジュールができたとしても、その後どうなるかという不安を抱かない経営者の方はいないのではないでしょうか。

 

今回は、経営者の方から良く質問を受ける「リスケジュールをしたら今後新規の借入はできないのか?リスケジュール中でも新規の借入を受ける方法はないのか?」について実例を用いて説明したいと思います。

 

原則的なことから申し上げますと、元金棚上げにして利息のみの支払いや、元金返済1口1万円と利息のみの支払いなど、ハードなリスケジュールを行っている状態での新規借入は、残念ながら難しいと考えた方が賢明です。では、どういう状態にすると新規借入ができるようになるかという方法について、説明をさせていただきます。

リスケジュール中に新規借入ができる方法

新規借入が再びできるようになるために、いうまでもないのは、リスケジュールを行う前の返済条件に戻すことですが、この厳しい経済状況下で、そんなことは不可能に近いと思われます。

 

ただ、そこまでの状態に戻さなくても新規借入をできるようにする方法がありますので、具体例を用いて説明をいたします。

具体例

Y社の場合 (現在元金棚上げ利息のみ支払い中)

        プロパー融資    保証協会付     残高計
 A銀行     4,800万円     4,200万円     9,000万円
 B銀行     1,200万円     1,500万円     2,700万円
 C信金         0                300万円      300万円
 合 計          6,000万円     6,000万円     12,000万円

1.保証協会付融資分の返済開始

まず保証協会に行って保証協会付融資分の正常化を図りたいので、保証協会付融資分の返済を始めたい旨のご相談をしてみて下さい。

 

以前なら運転資金の返済期間は最長で通常5年でしたが、資金繰り円滑化借換保証(借入を一本化し返済期間を最長10年まで延ばせる制度)導入後、運転資金であっても10年の返済期間でみてくれる場合が多くなりました。

 

上記具体例の場合、保証協会付融資分の合計6,000万円を120回で除してみて算出される金額、月50万円の返済をC信金にて交渉してみます。(なぜC信金を窓口にするか。C信金は保証協会付融資のみなので、返済を開始するにあたって話がしやすい)

 

→6カ月間滞りなく返済をすることができれば、保証協会はY社の保証協会付融資について正常に戻ったと判断します。

2.A銀行及びB銀行融資分の返済

1で保証協会付融資分の返済実績を積み上げられれば、A銀行及びB銀行のプロパーの借入金について、各120回で除した金額の返済を開始する。

交渉を各銀行として下さい。また、C信金からの借入残高は6カ月経過した時点で0円になりますので、A銀行及びB銀行からの保証協会融資分についても資金繰り円滑化借換保証を使って一本化するか、それぞれ120回で除した返済金額を返済すように交渉をして下さい。

3.新規融資の実行

1の返済を開始し始めて1年後あたりには保証協会付融資が実行されることが、私の経験上では多いです。(当然のことながら、企業の経常利益が黒字化されていることと融資実行時点ですべての借入金が少なくとも120回で除した金額分の返済が開始されていることが条件になると思われます。)

留意点

ただ、この手法を使うと正常化に向け返済は進めたもののその後予想の反して業績が悪化して新規融資が実行されない場合などは、今まで以上に資金繰りが厳しくなるというリスクを秘めています。

 

経営者の方に経営改善計画をきちんと履行できる手腕がないと安易にお勧めはできませんので、慎重にご検討をされた方が賢明です。また、緊急保証制度が終了する予定ですので、資金繰り円滑化借換保証にも影響が出る可能性があります。事前に保証協会の担当者とご相談されることをお勧めいたします。

 

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