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得意先企業が倒産してしまった場合

得意先企業が倒産してしまった。その場合、その企業に対しての売掛金・受取手形が回収できなくなり、大変なことになります。

 

この場合、どうしたらよいでしょうか。まず、あてにしていた入金がなくなってしまいますから、すぐに今後の資金繰りを組み直さなければなりません。

 

資金繰りの予定を組むのに使う資料は、資金繰り表ですが、入金がなくなるとして、資金繰りを組み直します。また普段、資金繰り表を作っていない会社でも、よほど資金を潤沢に保有する企業でないかぎり、資金繰り表を作ってみます。

 

そして、今まで資金繰りがまわる計画であったのに、その得意先企業の倒産によって入金予定がなくなり、資金繰りがまわらなくなってしまうのなら、どのように資金繰りをまわすか、考えていきます。

 

次の順番で考えます。

 

1.銀行から融資を受ける。

2.融資を受けられない場合、支払いの優先順位を考えて、支払いを止めていく交渉をする。

1.銀行から融資を受ける

銀行から融資を受ける場合、得意先企業が倒産した事実を銀行に伝えた方がよいのかどうか。得意先企業が倒産した事実は、いずれ銀行に分かってしまいます。

 

銀行に毎年提出する決算書には、決算書内の科目の内訳を説明する勘定科目明細を添付しますが、その中に、売掛金や受取手形の内訳もあります。

 

その内訳、1社1社を見れば、倒産した得意先の存在が分かり、売掛金や受取手形は回収できないだろう、と銀行は見なし、実態で評価した貸借対照表に修正します。いずれ銀行に分かるのであれば、早めに銀行に、得意先企業の倒産は報告した方がよいのです。

 

そして得意先企業の倒産の結果、資金繰りはどう不足するのかを伝え、それを穴埋めするために運転資金として融資を受けたい、という話をします。

 

その時に、次のことを銀行に話します。

 

  1. 得意先企業の倒産により、どれだけの貸倒れが発生する見込みか。
  2. 自社が、その得意先企業の倒産により今後の売上・利益にどれだけの影響があるのか。またその結果、自社の業績予想はどうなるのか。
  3. 業績が悪くなることを克服するために、どんな対策を行っていくのか。

 

これらを、口頭ではなく、書面で記し、伝えます。これらを銀行に伝えることによって、得意先企業の倒産というマイナスの影響を、大きく抑えることができます。

 

銀行が融資審査を行う視点は、何よりも、最後までしっかり返済してもらえるかどうかです。

 

この(1)から(3)を銀行に書面で伝え、得意先企業の倒産の影響を克服していくという心証を銀行に与えられたら、よいです。

 

また得意先企業の倒産のことを早く銀行に報告することにより、銀行との信頼関係は向上します。悪いことを隠す企業より、悪いことでも銀行に報告する企業に、銀行は良い印象をいだくものです。

経営セーフティ共済

また、得意先企業の倒産に備え、企業が普段、かけておいた方がよいのが、経営セーフティ共済、です。

 

経営セーフティ共済は、別名、中小企業倒産防止共済とも言い、得意先企業が倒産した場合、その貸倒れの範囲内で、掛け金の10倍までの融資を受けられるものです。

 

なお掛け金は毎月5000円~20万円掛けられ、800万円が上限です。共済ですので、銀行の審査なしに借りられるのが利点です。万一の場合に備え、この共済を掛けておくとよいでしょう。

2.融資を受けられない場合、支払いの優先順位を考えて止めていく交渉をする

得意先企業が倒産し、銀行からも融資が受けられず資金繰りがまわらなくなってしまうのなら、支払いの方を止めて、しのいでいきます。

 

支払いを止める優先順位は、次のとおりです。

 

  1. 銀行融資の返済
  2. 税金・社会保険
  3. 諸経費
  4. 買掛金・支払手形
  5. 給与

 

これらの支払いの止め方について、詳細は省きますが、これらの支払いを止めている間に、早く利益体質を作って、支払いの再開をできるようにしていきます。

普段から得意先企業の動向を見ていく

得意先企業が倒産すると、大きく損失が発生し、また何よりも資金繰りに大きな影響が出るわけですから、やはり、普段から得意先企業の動向には注意していきたいところです。

 

得意先企業の倒産の兆候は、多くの本に書いてありますし、また帝国データバンクなどで、得意先企業の信用調査を、定期的にはかっていきたいところです。

 

しかし、それでもなかなか避けられないのが、得意先企業の倒産、です。

 

得意先企業の倒産の影響で資金繰りがまわらなくなり、連鎖倒産してしまう企業は多くあります。得意先企業の倒産の影響を最小限にとどめるべく、今回書いた順番で、実行していってください。

 

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