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売上債権が多すぎる

資金繰りが厳しい企業は、なぜ自社の資金繰りが厳しいのか、分析してみることが必要です。貸借対照表を見れば、その左側の資産の部で、何にお金が流れているのか、知ることができます。

 

資産の部で、現金と預金が少なく、他の資産が多くなっていれば、資金繰りは厳しくなります。その中で、例えば売掛金が多くなってしまっているとします。売掛金と受取手形を合計したものは売上債権と呼びますが、それが月商に比べて、何か月分あるのか、それを示したものが、売上債権回転期間となります。

 

その計算式は、次のとおりです。

 

売上債権回転期間=(売掛金+受取手形)÷月商

 

例えば年商300百万円、月商25百万円、売掛金30百万円、受取手形20百万円の企業であれば、その売上債権回転期間は

 

売上債権回転期間=(30+20)÷25=2か月

 

となり、売上債権回転期間は2か月ちょうど、日数で言うと60日間、となります。売上債権回転期間の長さは、業種によって傾向があります。

 

売上の相手先が消費者となり、売上と同時に現金で回収することが通常である飲食業・小売業などは、売上債権回転期間は短くなる傾向があり、一方、売上の相手先が事業者となる卸売業や製造業などは、売上債権回転期間は長くなる傾向があります。

 

下記に、業種ごとの売上債権回転期間を記しますが、あくまで業種平均の数値であり、事業のやり方によって回転期間は異なってくることは注意してください。

 

建設業   40日

製造業   40日

情報通信業 50日

運輸業   40日

卸売業   40日

小売業   20日

不動産業  4日

飲食宿泊業 3日

サービス業 30日

 

そして、あなたの会社は、業種平均に比べて、売上債権回転期間が長い傾向にあるのか短い傾向にあるのか見てみます。売上債権回転期間が短いと、売上が上がって早い時期に売上債権が回収できていることになります。そうすると、現金預金は多くなるため、資金繰りは楽になります。

 

一方、売上債権回転期間が長いと、売上が上がっても、売上債権が回収となるまで長い時間がかかることになります。そうすると、現金預金は少なくなることになり、資金繰りは厳しくなります。

 

売上債権回転期間が短い企業は、それだけ借入で売上債権分をまかなう必要が少なくなり、借入金は少なくて済むようになります。売上債権回転期間が長い企業は、どうやって短くしていくか、対策をうっていきます。

 

例えば次のような対策があります。

 

  • 契約書・見積書などをきちんと作って、締日・入金日をあらかじめ文章で明示しておき、なあなあの関係にならないようにする。
  • 約束している入金日に入金がない場合は、すぐに経理担当者は営業担当者に伝え、すぐに相手先に確認・督促をするようにする。
  • 約束している入金日に入金がなく、督促しても支払わない場合に備え、早期回収するための社内ルールを作っておく。
  • 売上が上がったら請求書は迅速に発行する。
  • 前金・着手金を入れてもらう交渉する。
  • はじめの取引になるべく回収が早くなる条件となるよう交渉する。 
  • 請求書に、入金期日を明記しておく(例)「○月○日までに、お振込みください。」

 

また、もし万が一、売掛金が焦げ付いてしまうと、回収ができず、資金繰りは厳しくなります。売掛金が焦げ付かないように、日頃から売上先の信用状況を見ておきたいものです。分かりやすいのが、約束の入金日に、入金してこない企業です。

 

この場合、相手の状況を見ると、1.企業の支払事務がだらしない、2.支払う資金が不足していた、このような理由が考えられます。入金日に入金してこなかったら、相手先にすぐに営業担当者から連絡をします。

 

そしてすぐに入金してくるようであったら、1.その企業の支払事務がだらしなかった、という理由が第一に考えられますが、支払日を伸ばしてほしいと頼まれるなどしたら、2.支払う資金が不足していた、と考えて間違いありません。

 

そのような相手先に対し、新たな取引は当然、慎重になるべきです。また、支払日に支払いできない企業は、すぐに支払いを行うように言ってくる相手を優先して、支払いを行う傾向があります。あなたの会社に優先的に支払ってもらえるように、しつこく言っていくべきです。

 

このようにして、売上債権を少なくしていくと、現金預金が多くなり、資金繰りは安定するようになります。銀行融資の返済も楽になります。

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