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リスケジュール期限において経営改善計画の進捗状況による銀行の対応

リスケジュール、つまり銀行への融資返済金額の減額・猶予を行いたい企業は、銀行に経営改善計画書を提出し、自社をどのように改善していくかを示した上で、銀行にリスケジュールを応諾してもらいます。

 

リスケジュールの目的は、返済の減額・猶予自体ではなく、リスケジュール期間中に、経営をしっかり立て直して元の返済に戻していけるようにすることのはずです。

 

そしてリスケジュールは、期限が区切られます。期限まであと2ヶ月ぐらいの時に、企業は銀行に、次はどうするか、交渉していくことになります。その時に銀行は、リスケジュール実行時に銀行に提出された経営改善計画が、どのように進捗しているかを見てきます。

 

経営改善計画がどのように進捗しているか、次のパターンがあります。

 

  1. 経営改善計画が予定通り進捗しており、以前の返済金額に戻すことができる。
  2. 経営改善計画は予定通り進捗しているものの、返済を一部再開できるが完全に戻すことは無理である。
  3. 経営改善計画は予定通り進捗せず、以前の返済金額に戻すことはできない。

 

 それぞれのパターンを見てみましょう。

経営改善計画が予定通り進捗しており、以前の返済金額に戻すことができる。

この場合、リスケジュール後の経営改善で、一番良いパターンです。リスケジュールから返済を元に戻すことができ、近いうちに新規融資がまた受けられるようにもなっていくことでしょう。

経営改善計画は予定通り進捗しているものの、返済を一部再開できるが完全に戻すことは無理である。

経営者は、経営改善計画に取り組み、計画は予定通り進捗することができました。それにより返済を一部再開することはできるものの、完全に元に戻すことはできません。

 

銀行が、経営改善計画の進捗で許容できる目安は、売上・利益の80%です。なおここでの利益とは当期利益のことを言いますが、当期利益は特別利益・損失により影響を受けることが多く、実際は経常利益を見られることが多いです。100%まではいかなくても、80%以上、売上・利益が達成ができていれば、銀行に対し、その達成度合いについて堂々と主張するとよいでしょう。ただ、返済を完全に再開する利益にまで戻すことはできていません。

 

しかし経営改善計画書では、はじめ1~2年では、返済を完全に戻すことはできないことを織り込んで、損益計画、キャッシュフロー計画を書いていると思います。

 

例えばもともと月300万円返済していた企業は、せめて月400万円、事業で現金を稼げるようにしたいところですが、そこまでいくのはなかなか難しいところです。そのため、経営改善計画通り、もしくはそれに近いところまで売上・利益が進捗していることを銀行に主張し、返済を一部再開するものの、引き続きのリスケジュールをお願いすればよいです。

 

返済再開の目安は、事業で稼ぐ現金、つまりキャッシュフローの7~8割までが目安です。ただし、なるべく返済再開金額は抑制し、手元の現金預金を潤沢にすることが、企業としては行うべきことです。

 

現金預金の出し入れによって現金預金量が一番低い水準になる時の現金預金残高が月商の1ヶ月分になることを目安に、それに達していない企業はなるべく、返済の再開金額を抑制することを考えてください。

 

なお返済の一部再開金額は、融資を受けている銀行が複数あれば、公平であるようにしましょう。プロラタ返済という銀行用語がありますが、融資残高に応じた返済金額の按分や、担保による保全や保証協会保証部分を除いた無担保部分残高に応じた返済金額の按分など、返済を一部再開するのでも、一部の銀行から不公平だと思われないよう、話し合いをしっかりすることが重要です。

経営改善計画は予定通り進捗せず、以前の返済金額に戻すことはできない。

これは、企業にとっても銀行にとっても残念なことです。経営改善計画の進捗で特に見られるのは売上・利益の達成状況ですが、なぜ計画が達成できなかったのか、銀行からは見られます。

 

経営改善計画が下回った要因について、しっかり分析して銀行に伝え、現状のリスケジュールの継続であろうと、返済を一部再開してのリスケジュール継続であろうと、引き続きのリスケジュールを行ってくれるよう、銀行へ要請します。ちなみに返済を一部再開する金額の考え方は、前記と同じです。

 

なお売上が下がっていったら、その売上でも会社は損益が赤字にならずにトントンとなるよう、ゼロベースで、会社を再構築していかなければなりません。

 

銀行から経営改善計画の修正を求められることも多いでしょう。企業としても、今までの経営改善計画の実行の結果を振り返り、もう一度経営を見直すチャンスでもあります。

 

また重要なのは、今までは経営改善計画は予定通り進捗しなかったが、次こそは経営改善を実現するという経営者の姿勢、意欲を見せることです。

銀行と定期的にコミュニケーションをとっていれば、話はスムーズに進みやすい

なお、以上のことは、銀行と定期的にコミュニケーションをとっていれば、スムーズに進みやすいです。リスケジュール中、せめて3ヶ月に一度は、銀行に対し経営改善計画の進捗状況を報告しておきたいところです。

 

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