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中小企業等経営強化法案って何? その6

中小企業等経営強化法案が現実化した際には、銀行の対応が大きく変わることが予想されますが単にどこの銀行も同じように「認定を受けた」企業を救済するわけではないことに注意が必要です。今回はこの点に触れておきます。

中小企業等経営強化法案の対象は全ての銀行ではない?

本法案の概略は、これまでお伝えしてきた通りですが、「認定を受けた中小企業に対して、金融機関が金融支援を行う」という、最大の要点に関して金融機関は全ての金融機関を指していません。

 

「地域金融機関」に対して求められています。地域金融機関という言葉は、元々旧都市銀行を除く地方銀行(第一・第二とも)・信用金庫・信用組合を指しますが、厳密には政府系金融機関も除くため、

 

現在の三大メガバンクと政府系金融機関は本法案の対象外ということになります。

 

政府系金融機関については、政府の動きに追従するのが当たり前である一方、元々「民間のメインバンクに合わせた支援を行う」ことが基本スタンスであるため、本法案の直接の対象になっていなくとも、個別に交渉し、結果として法案に則した対応をしていただくことができると予想されますが、メガバンクは、どう動くことになるでしょうか。

メガバンクへは個別対応

本法案は、メガバンクを対象としていないことから、メガバンクは全く協力をしない、ということでしょうか?

 

そうではないと、私は確信しています。

 

既に、メガバンクは条件変更先(リスケジュール先)に対する対応も、独自判断を行うことが増えています。財務指標が再生基準未達であっても、再生計画を了解することも他地域金融機関が横並びに支援しようとする企業に対して同じ水準での支援を拒否することも双方あり、時に企業にとっては救いとも、災いともなっています。

 

国は、メガバンクに対して中小企業向け融資を増やす要求を、数年前より行っていません。純粋に、収益を上げることだけを求めており、メガバンクはその対応として、中小企業向け融資よりも海外投資等の動きを強め続けています。昨今のメガバンクの独自判断の増加は、その表れです。

 

本法案によっても、メガバンクは「法案で定めがあるから」ではなく、独自に企業を判断して支援の可否を定めることでしょう。

中小企業対応の主役は、地域金融機関

改めて、国としてはメガバンクに対しては国策としての大規模な資金投下を求め国内中小企業への対応は、地域金融機関に任せていきたい、という意向です。本法案は、地域金融機関を動かすためのものと言えます。

 

かといって、中小企業側から考えたときに、メガバンクとの取引が要らない、ということではありません。

 

メガバンクに対しては個別に、地域金融機関に対しては新法案に基づいて今後の支援を要請していく、ということです。

 

実際、弊社のこれまでの取組みにおいても、メガバンクが独自対応をしてくることは多々ありますが本質的な企業の再生・発展に繋がるものである限りはメガバンクの方が、教科書通りではない対応ができるものです(個別の例外はあるにせよ)。単に対象外だからといって、怖れることはありません、再生に足る企業、と認めてもらえばよいのです。

 

メガバンク、地域金融機関双方と取引がある企業においてはかたや個別に、かたや新法案に基づいた支援を受けられるように、日常の経営改善を行うことになるのでしょう。

 

企業の自らの努力を証明し、評価を得るという原理原則には、何の違いもありません。違いは違いとして注意はしつつ、本質を外さないように取り組めばよいでしょう。対応の違いに、どうしても苦慮してしまうようであれば、弊社に是非ご一報下さい。

 

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この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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