M&Aに関するよくある質問

  1. ホーム
  2. > M&Aに関するよくある質問
  3. > M&A全般
  4. > 赤字会社を合併する際、合併比率はどのように計算されるか

赤字会社を合併する際、合併比率はどのように計算されるか

  • M&A全般

赤字会社の合併比率はゼロ?

「赤字会社を合併したいのだけれど、このとき合併比率はどうなるのでしょうか?」

 

以前、このような質問をいただいたことがあります。

 

そもそも合併比率とは、合併のときに対価として被合併会社の株主に与えられる合併会社株式の割合のことで、これは非合併会社と合併会社の株価に基づいて算出されます。

 

例えば、合併比率が2:1であれば、被合併会社の2株に対して合併会社の1株といった具合の計算です。ところが、ここで問題になるのが赤字会社における合併比率になります。

 

赤字会社の株価の算定はゼロ(実際はマイナス)となりますので、赤字会社に対する対価はゼロです。そのため、赤字会社を被合併会社とした合併比率はゼロとなってしまいます。

 

このような合併比率がゼロとなる合併は無対価合併といい、非適格合併と呼ばれます。

適格合併と非適格合併の違い

ここで問題になるのは、現在の税制では非適格合併の場合に不利な点が多いということです。赤字会社の非適格合併を行なった場合、非合併会社の持つ資産の含み益に課税が行われてしまいます。

 

さらに、赤字会社の持つメリットであるはずの繰越欠損金の引き継ぎも認められなくなります。そのため、非適格合併ではなく、適格合併にする必要があるのです。

 

そこで、赤字会社の合併比率をゼロにせず、1000:1のような合併比率に設定して適格合併とする方法がとられます。

 

合併比率を調整することで、赤字会社を合併するメリットを活かした節税が可能となります。

 

ただしこの場合、合併比率に基づいて与えられる合併会社の株式は贈与となり、贈与税がかかるという点には注意が必要です。

一人で悩む経営者へ
後悔しない決断を一緒に見つけましょう