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金融行政方針(平成29事務年度)について

平成27事務年度より金融行政方針といわれるようになり、平成28年、29年と3年目になりました。

 

金融行政の目標は「企業・経済の持続的成長と安定的な資産形成等による国民の厚生の増大を目指すこと」である旨を明確にしていますが、このことを知らない銀行員が多いように感じます。基本方針を押えて、決断に迷いを起こさないようにしてほしいのです。

 

また、金融庁は、厳しい経営環境の下、多くの地域金融機関にとって、単純な金利競争による貸出規模の拡大により収益を確保することは現実的ではなく、持続可能なビジネスモデルの構築に向けた組織的・継続的な取り組みが必要である旨を発信してきました。

 

直近の2017年3月期決算では、顧客向けサービス業務から得られる利益は、過半数の地域銀行でマイナスとなっています。

 

それを解決するには、地域企業の真の経営課題を明確に把握し、その解決に資する方策の策定及び実行に必要なアドバイスや資金使途に応じた適切なファイナンス(短期継続融資、メザニン等の資本性資金、公的融資との協調等を含む)の提供、必要に応じた経営人材等の確保といった支援を組織的・継続的に実践し、地域企業の適切な競争環境の実現に取り組むことです。そうした取り組みにより自身の持続可能なビジネスモデルの構築につながる地域金融機関は多いと考えられています。

 

この取り組みをせず、先ほど指摘した金利だけに頼る融資の拡大競争を継続するならば、将来的に淘汰される金融機関が出現したり、地域によっては金融サービスを提供する地元の金融機関がなくなったりする可能性も考慮する必要があると、踏み込んだ指摘もしています。

 

しかしながら、経営環境が厳しさを増す状況にあっても、金融機関のなかには、希望的な観測に頼った経営を行っている先や、現在のビジネスモデルの持続可能性に大きな懸念があるにもかかわらず必要な経営計画を行わず、また、社外取締役・株主等外部からの牽制機能も働いていない先が存在するなど、持続可能なビジネスモデルの構築に向けた取り組み姿勢・内容にはバラツキが見られます。

 

もとより、ビジネスモデルに単一のベスト・プラクティスがあるわけではありませんが、地域企業の価値向上や、円滑な新陳代謝を含む企業間の適切な競争環境の構築等に向け、地域金融機関が付加価値の高いサービスを提供することにより、安定した顧客基盤と収益を確保するという取り組み「共通価値の創造」は、より一層重要性を増しています。

 

金融庁は、これまで「事業性評価」に基づく融資や本業支援の促進「日本型金融排除」の実態把握や「金融仲介機能のベンチマーク」等の客観的な指標を活用した自己評価や開示の促進などに取り組んでいます。

この記事の著者

  • 野上 智之

    公立大学法人北九州市立大学卒業、大手システム会社を経て、教育研修会社での新規部門立上げや西日本責任者としての実践により、収支損益の黒字化と人財育成がなければ、企業は元気にならないという強い信念のもと中小企業に特化した経営コンサルタントに転身。現在も10社を担当し各地でセミナーや研修を実施したり、地域金融機関との連携を実施。行政書士試験合格、宅地建物取引士、動産評価アドバイザー(TAA)、中小企業庁ミラサポ専門派遣登録専門家、プッシュ型事業承継支援高度化事業登録専門家(中小企業庁)、再生支援ネットワーク会議メンバー(広島)

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