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経営者と銀行の信頼関係

ある経営者に尋ねたことがあります。「社長は銀行を信頼していますか?」と。

 

その時の答えは、「社長個人としてAさんという銀行員を信頼することはできるが、当社法人としてB銀行を信頼することはない」とキッパリ言われました。これが本質です。

 

通常、法人取引において、得意先・仕入先・外注先などの関係者同士は、法人として信頼し合って長い付き合いをしますが、なぜか、金融機関だけは、法人として信頼できない存在なのです。

 

なぜ、そう思うのでしょうか。よく言われる、「銀行は雨の日に傘を取り上げ、晴れの日に傘を差し出す」という言葉が象徴しているのかもしれません。

 

これは、中小企業が困った時、金融機関がどのような対応をしたかを表しています。つまり、困った時、助けてほしい時、相談にのってほしい時に、相手にされないということだと思います。

 

本来は、良い時も悪い時も一緒になって親身に考えてくれる金融機関が存在し、その金融機関と長いお付き合いをし、互いに信頼し合う関係が一番です。しかし、現実はそうではありません。これは、単なるビジネスパートナーではなく、経営者はお金を借りたい、金融機関は貸したお金が返ってくるという、一方通行な債権者・債務者の関係からくるものであろうと思います。

 

例えば、売買契約において、1万円の商品Cを販売することを想定してください。この場合、買い主と売り主が存在しますが、双方のうちどちらが債権者で債務者にあたるのでしょうか。答えは、買い主と売り主は、双方が債権者であり債務者にあたります。このような契約を双務契約といいます。

 

しかし、お金を借りる金銭消費賃貸契約では、賃主が債権者であり借り主が債務者に該当し、片務契約となります。更に多く経営者は、人的担保や物的担保を差し出しています。

 

上記のような契約体系で、経営者は金融機関をビジネスパートナーと思えるでしょうか。私は、両者の完全なる信頼関係構築はできないと思っていますが、少しでも信頼関係は構築してほしいと思っています。中小企業の業務内容や強み・弱みを日々の会話から知ることで、目利きを利かせた提案ができ、そのことから、一歩一歩信頼関係を築くことができます。

 

金融機関は、単なる金貸しではなく、地域企業の価値向上や地域経済の活性化に貢献する存在だと、経営者が認識するまでその活動は続きます。

 

そして、転勤などで担当者が変わっても、中小企業に対する取り組み姿勢が金融機関として変わらず、統一された品質を保つべきです。そうすれば、経営者との信頼関係は徐々にですが、必ず構築できると信じています。

 

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この記事の著者

  • 野上 智之

    公立大学法人北九州市立大学卒業、大手システム会社を経て、教育研修会社での新規部門立上げや西日本責任者としての実践により、収支損益の黒字化と人財育成がなければ、企業は元気にならないという強い信念のもと中小企業に特化した経営コンサルタントに転身。現在も10社を担当し各地でセミナーや研修を実施したり、地域金融機関との連携を実施。行政書士試験合格、宅地建物取引士、動産評価アドバイザー(TAA)、中小企業庁ミラサポ専門派遣登録専門家、プッシュ型事業承継支援高度化事業登録専門家(中小企業庁)、再生支援ネットワーク会議メンバー(広島)

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