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社長が言うことがいつもコロコロと変わる

社長と社員が同じ方向に向かって、事業を成長させていくことはとても大切です。では、どうやったら同じ方向に向くのでしょうか。

 

その答えは、皆で会社について意見を出し合い、相手との相違や一致を確認することからしか始められません。地道なことですが、この作業をしていない企業が本当に多いように思います。

会社を語る

私 :「次回の会議で、当社の強みについて社員に議論してもらおうと思っています。」

 

社長:「是非、すすめてください。」

 

私 :「その際、最後に社長からも回答を提示して欲しいのですが。」

 

社長:「なるほど。それは経営理念に通じることだな。」

 

私 :「はい。その理念をかみ砕いて、社員の皆さんへ伝えてください。」

 

社長:「よし、分かった。」

 

これは一見、社員教育のように見えますが、真意は、社長と社員の考えをすり合わせてもらうことです。特に創業社長であれば、自分の言葉を経営理念や社是に込めて文字にしていますが、その言葉が難しかったり、色々な意味に捉えることができたり、言葉は知っているが、本当の意味を知らない社員がいるものです。このように言うと、その説明は、年度初めの事業計画の発表の際、伝えていると言うかもしれませんが、それはそれで良いのですが、それは社長からの一方通行です。

 

実際、ある企業で上記のような打合せを社長と行い、社員研修を実施したことがあります。その研修は、営業研修の位置付けで行ったのですが、驚く結果が出ました。

 

それは、自社の強みは10人いれば10通りの意見が出てきて、最終的にそれをまとめようと思うのですが、なかなかまとまりませんでした。その半面、ライバル会社の強みとなると、あっという間に意見が3つにまとまり、全員がそうだとうなずいたのです。その様子を見ていた社長は大慌てです。

 

このように当社の強みが人によってバラバラであることは、当然営業成績も人によってバラバラになり、もっと致命的なことは、第三者から見ると本当に同じ会社の社員なのかと疑ってしまうことです。つまり、商品知識とか細かいことではなく、もっと大枠のところでずれており、会社の信頼に関わることです。

 

最後に社長から、こんな言葉が出ました。

 

「いつも会議や朝礼で言っているだろう。何故、意見がまとまらないのか。」

 

その時でした、本当の答えが出た時は、

 

「だって、社長が言うことがいつもコロコロと変わるから、どれが本当なのか分からないからです。」と。

 

社長の言葉は、社員の言葉の何十倍、何百倍もの重みを持っています。社長としては、それほどまでと思うことが、社員にとってはものすごく重要なことになります。時と共に考えが変わることは当然です。

 

であるならば、変わった時に社長と社員の意見をすり合わせて、修正する作業が必要となります。是非とも、以前言ったからということは、やめていただきたいと思います。

 

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この記事の著者

  • 野上 智之

    公立大学法人北九州市立大学卒業、大手システム会社を経て、教育研修会社での新規部門立上げや西日本責任者としての実践により、収支損益の黒字化と人財育成がなければ、企業は元気にならないという強い信念のもと中小企業に特化した経営コンサルタントに転身。現在も10社を担当し各地でセミナーや研修を実施したり、地域金融機関との連携を実施。行政書士試験合格、宅地建物取引士、動産評価アドバイザー(TAA)、中小企業庁ミラサポ専門派遣登録専門家、プッシュ型事業承継支援高度化事業登録専門家(中小企業庁)、再生支援ネットワーク会議メンバー(広島)

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