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親族内承継の背景

最近、本当に多くの経営者様から親族内承継について、ご相談を受けるようになりました。なかなか相談できる人がいないとのことです。この度よりそのようなお悩みを少しでも解消いただければと思い、親族内承継について掲載します。

親族内承継の背景

2025年には6割以上の経営者が70歳を超える高齢化が進むなか、さまざまな理由により毎年多くの中小企業が廃業を選択しています。特に後継者難から会社をたたむ企業が多く、実は廃業する会社の約5割は黒字企業です。

 

経済産業省の試算では、この黒字廃業を放置すれば2025年までに約650万人の雇用と約22兆円に上る国内総生産が失われる恐れがあるとしており、このままでは日本の産業は衰退してしまいます。どうにかして、止めなければなりません。

 

ここであなたは、親族内承継と聞くと何を連想されますか。株式、自社株評価、事業承継税制、相続税、贈与税、債務、経営者保証、遺言書、資金調達、生命保険、企業法務、承継計画、後継者教育などでしょうか。

 

このようにいろいろと検討しなければならないのですが、私が思うに税制など数字に片寄った対策が多いように感じます。

 

私は、過去の数値や税制のみではなく「未来に向かった事業の成長戦略と組織づくりを経営者の心情を踏まえながら検討すること」が大切だと感じています。つまり、事業性評価に基づく承継の行い方です。

 

未来に向かったという考え方は、本当に大切です。それでは、承継するものは何でしょうか。

 

その答えは、「経営者の創業の想い・経営理念」だと私は思います。

 

以前、信用金庫の担当A氏にB会社の親族内承継にあたって、このような会話をしたことがあります。

 

「B会社は工務店ですが、販売価格や販売地域はどこらあたりでしょうか。」

 

A氏はさすがに担当を3年しているだけに、すかさず回答されました。

 

次に後継者の話題になり、

 

「経営理念をしっかり承継して欲しいと思っているのですが、B社の経営理念をご存知ですか?」

 

A氏は答えることができませんでした。残念です。

 

またある運送会社では、経営理念の一番に「安全」という言葉がありました。私は、その社長にどうして安全が一番にくるのですかと質問をしました。社長の顔が一気に笑顔から深刻な顔つきに変わり、その理由を話してくれました。

 

「過去に大きな事故があり社員が亡くなったから・・・。」

 

大変重要な想いであり、その会社が必ず守らなければならない教訓でした。この想いがあってこその親族内承継ではないでしょうか。今一度、経営理念に立ち返った親族内承継を検討いただきたいと思います。

この記事の著者

  • 野上 智之

    公立大学法人北九州市立大学卒業、大手システム会社を経て、教育研修会社での新規部門立上げや西日本責任者としての実践により、収支損益の黒字化と人財育成がなければ、企業は元気にならないという強い信念のもと中小企業に特化した経営コンサルタントに転身。現在も10社を担当し各地でセミナーや研修を実施したり、地域金融機関との連携を実施。行政書士試験合格、宅地建物取引士、動産評価アドバイザー(TAA)、中小企業庁ミラサポ専門派遣登録専門家、プッシュ型事業承継支援高度化事業登録専門家(中小企業庁)、再生支援ネットワーク会議メンバー(広島)

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