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利益からの決める採用計画

人手不足を感じた時、人を採用すべきか、それとも見合わせるべきかと悩みます。

 

何故、悩むのか。

 

それは、人を採用したからといって、必ずしもその人件費以上に利益が上がるとは限らないからです。あなたはその時、目の前の利益を優先して採用を決めますか、それとも中期的な経営計画の中で判断しますか。

利益からの採用計画

私 :「社長、現場から人手が足りないため、納期が守れないと声が上がっていますが。」

 

社長:「それは聞いている。」

 

私 :「本当に人手が足りないのですか。」

 

社長:「足りないとは思うが、今は現状の人員でまわして欲しいと思っている。」

 

私 :「現場からの採用して欲しいという要望は、どうしますか。」

 

社長:「次の会議で、採用しないと皆に話をするよ。」

 

社員を1名採用する際、その人件費をどこから捻出しようかと悩んだり、現場がスムーズにまわることが大切だと考えたり、色々と思案するものです。

 

しかし、悩んでもなかなかよい答えにたどりつかないこともあります。理屈では、採用する人件費以上の利益を稼げば良いのですが、中小企業の場合、その判断が難しいことが多くあります。

 

例えば、数年前なら、1日8時間働けば5万円の粗利が取れていたものが、今は4万円だったりします。つまり、20%の粗利のダウンです。ここで、以前のように1日5万円の粗利を稼ぐためには、1名あたりの労働量を10時間程度にするか、社員の創意工夫によって8時間で10時間分の生産量を稼ぐことになります。

 

しかし、社員からすれば労働時間は長くなり、作業内容が濃くなっているのに、給与が全く変わらなければ不満を持ちます。また、単純に人手不足を解消すれば、今までと同じように良い商品を納期どおりにお客様に届けることができるのかと疑問も残ります。

 

上記の会話では、社長は採用しない判断を社員に伝えることにしました。どのような説明をするのでしょうか。また、その話で社員は納得するのでしょうか。

 

社長は会社の利益を、社員は労働時間を給与の基準にしています。このように給与の基準が大きくずれている場合、話し合いはなかなか上手くいきません。一言で言えば、社員は忙しいから会社は儲かっていると思っていますし、採用しないのなら当然もっと給与はもらえるべきだと思っています。

 

そこで、社長はきちんと売上・経費・利益の話を、社員に説明することから始めなければなりません。この内容を理解しないと、自分の給与がどうやって産まれているのか分からず、社員の納得はありません。

 

また、将来の主力商品づくりのための新しい生産ラインを作る時、今の人員を配置転換して、その後ある程度軌道に乗ったあとに新たに人を採用するのと、何も考えずに採用するのでは、同じ採用でも意味は全く異なります。

 

目の前の対策であろうが、中期的な計画実行であろうが、全ては利益から計算して採用を決めることが、会社にとってはとても大切です。

 

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この記事の著者

  • 野上 智之

    公立大学法人北九州市立大学卒業、大手システム会社を経て、教育研修会社での新規部門立上げや西日本責任者としての実践により、収支損益の黒字化と人財育成がなければ、企業は元気にならないという強い信念のもと中小企業に特化した経営コンサルタントに転身。現在も10社を担当し各地でセミナーや研修を実施したり、地域金融機関との連携を実施。行政書士試験合格、宅地建物取引士、動産評価アドバイザー(TAA)、中小企業庁ミラサポ専門派遣登録専門家、プッシュ型事業承継支援高度化事業登録専門家(中小企業庁)、再生支援ネットワーク会議メンバー(広島)

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