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「売上なら上げられる」という落とし穴

企業経営者よりご相談をいただく際、

 

「売上ならもっともっと上げられるのに、
 運転資金を借りることができなくて身動きできない」

 

というお話をいただくことがあります。正直に申し上げますと、その度に私はヒヤヒヤするのです。

 

売上を上げられること自体を疑っているのではないのです。私が心配してしまうのは、売上が上がったとしても社員さんの作業が増えるだけにならないか資金繰りがより厳しくなるだけにならないかその検証がなされていないことに対してなのです。

 

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損益分岐点に、いつまでも追いつかない

このような企業が陥りがちな流れというのは損益分岐を確認して、分岐点を超える売上を目指す

 

 ⇒分岐点を超え、一安心する
 ⇒利益が思うように上がっていないことに気づく
 ⇒さらに売上を伸ばそうとする
 ⇒仕入も増えることで資金繰りが追いつかなくなる

 

といった辺りでしょうか。やってもやっても損益分岐が遠のいていき、利益が出ない企業は、大半が下記二点の状況にあります。

 

  • 既存取引先への売上の収益管理が不十分なため損益分岐が時間と共に悪化、新規の売上で埋めるが新規売上も直ぐに利益率が低下していき、損益分岐が追いつかない
  • 受注時点で過剰な単価値引きを行って、数で売上を確保しているため、新規売上をとっても利益貢献にならない

何より、会社にとって、社長にとって不幸なこと

問題は、営業レベルでは頑張っている(ように見える)ため、「受注ができる事実を否定したくない」とバイアスがかかることで認めることがどうしても難しいことです。

 

しかし、考え方を少しだけズラして

 

  • 皆で頑張って売上をとってきたのに、利益になっていないのはあまりにももったいなくはないか?

 

とできればきっと、改善していくことができます。同じ利益ならば、売上が少ない方が会社全体の作業量も減るのです。売上は基本的に、作業量に比例するのですから。

 

極端な例ですが、一つ挙げてみますと年商2億程の建設資材卸業者さんで、それこそ「売上は2倍だっていけるのに、資金不足で仕入ができない」と仰っていたのですが…、

 

実情は過剰なダンピングで利益がでていないのを、さらなる売上で(但し、ダンピングは止めない)カバーしようとしていたのです。

 

しかし、取扱の増加によって既に社長の平均睡眠時間は3時間。

 

忙しさは増える
利益にならない
資金繰り負担だけは増える

 

そんな売上増加、本当に必要ですか?

 

どんな仕事も、利益を残せてこそ価値があります。何も残らず、労力だけが要求される売上の手間を、少しだけ利益管理に向かわせるだけで、この問題を回避することができるでしょう。

 

ただでさえ、経営者というのは大きな責任の中で仕事をしているのですから、尚更に無駄になってしまう労力は外していかなくては。

必要な借入や資金繰りが楽になる「経営者の働き方改革」

売上を上げることも重要です。しかし、同じように適正な利益を得ているかどうかも確認が必要です。

 

非採算取引を止めることは、収益の改善のみならず会社全体の作業・労力の削減になるとともに不要な仕入がなくなることで、運転資金が軽くなるため資金繰りも大幅に改善します。

 

ある意味、経営側での働き方改革といえるのです。もはや忙しさは経営者にとっての甲斐性ではありません。

この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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