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SDGsと中小企業向け融資の誤解

SDGsとは

「SDGs(エスディージーズ)」とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月に国連で開かれたサミットで定められた、国際社会共通の目標です。

 

何らかの形で見聞きした方も随分と増えているのではないでしょうか?

 

ここではSDGsの詳細な説明は省きますが、企業経営でいくつか例えれば

 

  • 排出されるCO2や環境汚染物質を減らす・無くす商品をつくる
  • 非人道的な企業活動で生産される材料仕入はしない
  • 男女の雇用不平等を無くす

 

と言った辺りが思い当たります。

 

日本の銀行(金融機関)でも、SDGsへの対応を求められています。銀行の場合は、自らの運営においてSDGsに見合う形にするのみならず、「SDGsに見合った事業や企業への融資は積極的に行い、逆行するようなものには融資をしない(既存融資を引き上げる)」ことも含まれています。

 

既に日本の銀行でも、SDGsに取組む企業や個人事業主に対しては金利を引き下げる等の対応が始まっている一方、海外では化石燃料依存の企業に対する銀行融資が行われなかった、という出来事も発生しており、これは極端な話ではありますが今後の日本の中小企業向け融資審査にも影響が出るのでは、と考えられます。

 

企業側でも、これからの経営を考えるにあたって、無視することはあり得ないのですが…

SDGsの「持続可能」は、中小企業にとって先ず「利益が出る」

これらの動きがあることで、最近は「SDGsに対応していることのアピールから、融資は得られるか?」というご相談も受けるようになっています、が、SDGsへの対応を整えることができれば、即座に様々な融資が受けられるのではないか、と考えられがちなことを心配しています。

 

中小企業にとって、反社会的なものは言うに及ばず、将来的な持続が見込まれないような事業や取り組みは評価されない、というのは大前提ではありますが、中小企業や個人事業主にとってのSDGsというのは先ず一番目には「利益が出る、出していける」ことであるのは確認しておくべきです。

 

SDGs活動への融資が出るとすれば、それは当該活動に対してであって、会社そのものの経営が赤字であれば融資で赤字の穴埋めをしてくれるわけではない、ということは融資の大原則として変わるものではありません。

 

何しろ、利益(概ねキャッシュフロー)がマイナスでは企業自身が「持続可能」ではないのですから。

中小企業とSDGs

重ね重ね、SDGsの活動が出来る企業が評価を得られやすくなる、ということ自体を否定したいわけではありません。現在のコロナ禍によって企業のBSは疲弊してしまい、アフターコロナにおける企業評価手法を変えていかなくてはならない情勢で、その中にSDGsの概念が組み込まれることには異論ありません。

 

気をつけたいのは、

 

SDGsへの取組み >>> 企業収益力向上の取組み

 

になってはならない、ということ。

 

個人的には、企業が今後の事業・商品展開を考える際にSDGsの概念に反しないことは顧客からの支持を得るために「当たり前のように必要」になるものであって、SDGsありき、というよりは正しく将来の経営方針を検討すれば自然にSDGsに見合うようになっていくのではないか、と考えます。

 

一時的に大きな赤字を出しても経営の安全性に傷がつかないのは大企業だけですから、中小企業にとってのSDGsは自身が反SDGsでない限り、適正な利益を出し継続できることが第一なのです。

この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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