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これからの企業財務評価における注意点

「資産の評価額」にもう一度着目しよう

財務評価をするにあたっては、貸借対照表における資産が簿価通りなのかどうか、実態に即して判定され、必要に応じて加算評価されたり、減産評価されたりします。

 

わかりやすい例えを挙げてみれば回収不能な売掛金があればその金額は売掛金から減算されますし、時価評価が大幅に変動している上場企業株式なんてものは最近での株価に応じて評価を増減させたりします。

 

他、棚卸資産や償却資産等、それぞれ時価に置き換えていくことはよく知られたものになりました。銀行員から評価内容を聞いたことがある方も多いことでしょう。

銀行からみた評価、自身による評価の違い

資産の時価評価自体は、今後とも無くなるようなものではありません。手法も「時価に置き換える」という概念が大きく変わることはないでしょう。

 

しかし、時に銀行の評価している金額と、企業のそれとは大きく異なることがあり、それによって互いの主張や考えにギャップが生まれることがあります。

 

ここでは最も典型的な不動産(土地・建物)を例にします。一般に大量の排水を伴う工場やガソリンスタンド店舗等で使用された土地は、土壌汚染への対処・工事・リスク等を踏まえて原則銀行での資産評価金額は非常に低いものになりがちです。ここ20年程は銀行の関連企業を含む不動産会社が不動産評価を行い体面上は「外部による客観的な評価」として採用されるため、銀行員(融資担当者)による変更も、そうそうできないもので経営者側にとってはそんな低い評価なはずがない、と反論して評価金額を変更してもらうのは、尚更難しいのが実情です。

 

この状況はなかなか覆すことはできませんが、そうと知っていればこそ、対応できる場合もあります。

使用者・状況によって異なる評価が生まれる

ある会社さんの場合、上記の通りで「工場の起こす土壌汚染リスクにより、土地評価が2000万円程度」とされてしまっていました。一方、社長にとっての価値は「8000万以上はある」。資産評価が6000万円以上ズレてしまっていることで、社長としては「財務上の余裕はある」と思っていても、銀行からは「実質では債務超過ではないか?」と思われる、というギャップを生んでしまっていました。銀行側の見立てでは、新規の融資もかなり困難になります。

 

ここで、この会社さんの場合は幸いなことでしたが同業他社への売却を打診し、まとめることができたのです。金額は1億円。ポイントになったのは「同業他社が居抜きで使うことで、土壌汚染の問題がない」「同業で使うため、買い手にとって許認可の問題がない」こと。銀行の思う売却においては「ごく一般的な買い手」が想定されますが「売り手の持っていた資産を最も高く評価し、使いこなせる相手」が買い手になれば、条件は変わるという訳なのです。

対話の継続で最良の流れをつくる

ただし、銀行からみれば「都合のよい相手に売れるとは限らない」訳ですから、銀行の対応そのものに問題があるわけでもないのです。しかし、銀行の現場とよく打合せをさせていただき、

 

  • 元々の不動産資産評価は銀行の2000万という評価のままでよい債務超過になってしまうが、そこは現状の改善内容を説明させていただき、債務超過でも融資を得られる状態をつくっておく(そのための経営改善計画を作成し、承認を得る)
  • 収益面での改善を評価してもらい、必要な資金に対して融資を実行してもらう
  • 実際に1億円で売却された際には、銀行評価金額2000万円との差額8000万円は、銀行評価上では「資産の増加、利益」となるため改善計画の超過達成として一気に計画達成、資産超過復帰当然、融資についてもより銀行は前のめりに取り組むようになった

 

という流れで問題解決、となりました。大事なことは、一般的に銀行はこう評価する、というものは特殊性があるならば正しい対処で覆せることがある、ということです。

 

銀行や専門家、再生支援協議会が一度は判定した「評価」、その内容にどうしても納得がいかないことがある場合には、一度専門家にご相談されるのがよいでしょう。

この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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