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円安によって借入金利は上がる?

円安を抑えるには金利上昇が必要

目下、ドル円相場は130円台ですが、予測によれば140円台もしくはそれ以上を見越しているものもあり、あまりにも急速・大幅な円安が懸念されています。

 

円安の要因は概ね

 

  • 日本の貿易収支が赤字=輸入が輸出より多い、ため輸入=通貨で言えば円を売って外貨を買うことで円売り、つまり円安の方向に向かうこと
  • 日本が超低金利政策を続けている一方で、アメリカ等が利上げに踏み切っていることで日本との金利格差が拡大、より金利の高い通貨に資金がシフトすることでの円安

 

の二点ですが、短期的・政治的には後者の影響が大きく、ここでも金利格差の要因に絞って考えます。

 

金利格差が大きくなれば、低金利の日本からさらに資金が流出し、さらなる円安を招くことになりますから「日本も、もう超低金利政策をやめるべきだ」という議論も活発化しているのですが、金利の上昇は、企業にとっては当然支払金利の増加に繋がるのが痛いところです。

円安の功罪

円安は、悪いことばかりではありません。円安になれば、訪日観光客が同じ外貨を使っても円としてはより増えますし、輸出においても同様に有利になります。

 

元々日本は国内経済が縮小することが避けられないのですから外国から観光に来てもらうことで経済活動を保つ生産物は輸出によって海外での販売を行うことは、長期的には必須です。この意味では、円安も決して悪いものではないのですが、、、

 

問題なのは、あまりにも急速で大幅だと、企業側での対応が追いつかないことであって経済の実態と合わせた、それなりにゆっくりとした動きであって欲しいのが本音ではあります。

上がる借入金利への対応

改めて、金利格差が円安要因ならば過度な円安を抑制しようとすれば、日本も金利引き上げが必要になります。となれば、企業の支払金利も増えます(コロナ融資等の金利ゼロのものや固定金利のものはともかく)。

 

そうでなくとも銀行は現状でのビジネスモデルの限界から、収益確保のため金利を引き上げしたいと思っていますから尚更借入金利は上昇圧力がかかっていくことになります。

 

これに対抗しようとするなら、

 

「より金利の安い銀行を探す」

「より生産性を上げることで利益の維持を図る」

 

だけでは限界があり、企業それぞれのご事情はあっても総論としては円安によって有利になる観光(インバウンド)・輸出での売上・利益の確保を検討しなくてはならないのでしょう。

 

経済情勢に合わせてビジネスモデルの刷新により将来の売上を確保していくことが、円安や金利引き上げへの最大の対抗策です。

 

結果として、新たな事業への取組みを銀行に開示していくことが銀行からの信用を得る近道であって、単に決算書のつくり方・読み方を考える、では済まなくなるということです。

 

コロナ前から表現されてきた「事業性評価」というのも、こうして世情に合わせるように、現実になっていくのでしょう。

 

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この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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