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第4のメガバンクは誕生するのだろうか

来年社名は「SBI新生銀行」になる予定

新生銀行は、1998年に経営破綻した日本長期信用銀行が改称したもので、中小企業向け取引としてはあまり目立つ存在ではありませんが、リテール業務として

 

  • 早い段階でのインターネットバンキング導入及び振込手数料の(条件つき)無料化
  • ATMの24時間営業、利用手数料の(条件つき)無料化
  • 通帳取引を廃止

 

等を早い段階で打ち出したことで、個人取引としては有利、と話題になることが多いです。

 

一方で

 

  • 収益実績が少ないことで、業務改善命令を受けたことがある
  • 未だ公的資金3500億円の完済をしていない(近い存在のあおぞら銀行は2015年に完済)
  • あおぞら銀行との経営統合が流れた経緯がある
  • 勘定系システムが非常に脆弱で、システム障害が多発

 

といった、不名誉な出来事もある中、昨年SBIによる買収を受けた、という経緯があります。

 

SBIは以前より「第4のメガバンク」構想を持っており既存のメガバンク3行に肩を並べられるだけの金融ビジネスの確立を狙っていたのですが、新生銀行の買収とSBIの連結子会社化は、その核となるのでしょう。

中小企業に影響はある?

新生銀行時代においてはリテール取引に着目されがちで中小企業取引、特に融資という意味ではこれからも注目することはない?と思われがちですが、将来的・間接的には影響力を持ちそうな情勢です。

 

SBIは「第4のメガバンク」構想の一環として10行の地方銀行と資本業務提携を結ぶことを目標としていますが、既に9行は確定しています(きらやか銀行、仙台銀行、福島銀行、大光銀行、東和銀行、筑波銀行、清水銀行、島根銀行、筑邦銀行)。一方で、三井住友フィナンシャルグループからSBIホールディングスへの10%出資も決まっており、財務基盤、事業基盤双方を安定、拡大させつつあります。

 

SBIの狙いは、金融プラットフォームの提供者として、自らは新生銀行を運営しつつSBIグループに参画している地方銀行へもサービスを提供していくことが予想されます。システムの共有化等によるコスト削減等はもちろんですが、

 

例えば、

 

  • 新生銀行が新規の融資商品を開発、提携銀行で取り扱うが融資のための資金は新生銀から提携銀行へ融資
  • SBIのリース商品提供を提携銀行窓口で行う

 

等が計画されており、ここまでくるとSBI(新生銀行)が直接中小企業融資を行わなくとも、地方銀行に大きな影響力を持つようになる

→SBIの方針が、地銀の中小企業取引に影響することは、否定できません。

新たな商品性を導く可能性は高い

新生銀行は2022年6月(今月)には定期預金の金利を10倍、0.1%に引き上げるとの発表を行っています。

 

超低金利政策の元、預金金利はどの銀行でもほぼ同じであり、「預金をせずに運用して欲しい」のが政策の思うところでしょうけれども、あえてその逆を打つ「こんな時だからこそ、預金残高を集めて顧客数を増やす」独自性は、これからも注目されます。

 

融資という観点でも、今後新たな発表があるかもしれない、と考えております。その際はまた紹介させていただけたら幸いです。

 

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この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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