建設業の再生方法
建設業は「粗利管理」が重要になります。
建設業は、弊社にご相談にこられる中で一番多い業種です。
建設業は、1件1件の工事でどれだけ利益を出していけるか、がその企業のトータルの利益を決める業種であります。
そのため、原価積算の正確性、外注や材料費の相見積りによる原価の抑制、十分な利益を確保した見積り提示、が重要となります。
また、それとともに、施主や元請け先からのサービス工事、つまり追加工事をサービスで引き受けないことも、利益確保の上で重要になってきます。
工事ごとの粗利管理をしっかり行わないと、1件1件の工事において利益がほとんど確保出来なかったり、もしくは赤字工事になったりして、その企業は苦しい状況に追い込まれてしまいます。
あなたの会社が建設業であれば、工事の粗利管理は1つの工事ごとに出来ていますでしょうか。
また必ず予算と実績の比較を行っていますでしょうか。
実績でどれだけ原価がかかったかを見ないと、予算の設定が適正であったのか検証することが出来ず、今後の粗利管理に生かしていくことが出来ません。
それと、予算実績管理を行わないと、サービス工事のこわさが分かりません。サービス工事を行うと、とたんに利益は少なくなります。粗利管理を行わないと、これが分かりません。
建設業の再生においては、この粗利管理が、重要になります。
一にも二にも、工事ごとの粗利益の改善です。
また、1件1件の工事で着実に利益を積み重ねていかないと、共通経費をまかなうことが出来ません。
次の例を見てください。1年で工事が5件ある企業だとしますと
工事名売上原価粗利益(単位:百万円)
工事A |
150 |
120 |
30 |
---|---|---|---|
工事B |
70 |
60 |
10 |
工事C |
90 |
70 |
20 |
工事D |
130 |
120 |
10 |
工事E |
80 |
60 |
20 |
合計 |
520 |
430 |
90 |
この企業の共通経費が80百万円だとしますと、この企業の利益は90-80=10百万円、となります。1件1件の工事で粗利益を稼いで、共通経費をまかなうイメージはこのような感じです。
ところが、工事Aにおいてサービス工事を請けてしまい、その分の原価が20百万円かかったとしましょう。そうすると、工事Aの粗利益は10百万円となり、この企業の1年間の利益は△10百万円となってしまいます。サービス工事を安易に引き受けず、20百万円をせめて追加請求していれば、赤字の転落はなかったです。
このように、サービス工事は、その企業の業績を一気に悪化させます。
簡単に請けてしまってはいけません。建設業の再生のためには、一にも二にも、工事ごとの粗利益の改善です。
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