未来のイメージ
私 : 「社長、中期計画を策定するにあたり、
どのような会社を目指しましょうか。」
社長: 「売上、利益が出ている会社だな。」
私 : 「売上や利益が出ている会社とは、どのような会社ですか。」
社長: 「それは、決算内容が良い会社だよ。」
私 : 「社員へも、このように伝えますか。」
社長: 「当たり前だよ。」
このような会話はどこにでもある。
しかし、この会話だけで社長の目指す会社の状態を、理解できる社員と、
理解できない社員に分けた場合、ほとんどの社員は理解できない。
つまり、社長はいつも数字ばかり言ってると、不満になるのである。
それは、なぜか。
売上や利益が出た時にどのような状態、環境になっているかというイメージが、
社長から社員へ伝わっていないからである。
そして、そのイメージは、曖昧でなく、はっきりと思い描けるプラスの
イメージでなければならない。このようにいうと抽象的になってしまうが、
先日走りながら思ったことを記載すると、少しは理解いただけるのかと思う。
走っているとき何度か足が痛かったり、息苦しくなったり、のどが渇いたり、
辛くてレースを止めたい時がある。
その時に、何を思いイメージするかである。
思う内容で今の辛さが更に辛くもなるし、和らいだりもする。
私は、このように思った。
「観客やボランティアの方の声援に応えず、レースを途中で止めることは
申し訳ない。もう少し頑張ろう。また、このレースに参加したかったが
抽選で漏れた方にも申し訳ない」と。
そして、次にこのようにイメージした。
「その先のゴールでは、今以上に何百人もの方が声援をおくっていて、
ものすごい歓喜に包まれているだろう。
そして、その歓喜という見えない輪の中を通り抜け、ゴールするだろう。
その時、目の前に1人でもランナーがいたら最後の力を振り絞って、
その人を抜いてゴールしよう。
そして、ゴールした時、色んな方から、おめでとう、頑張ったね、
と笑顔で声をかけられるだろう。
そう思うと、なんだか嬉しくなってきた。
特に周りの人達が、笑顔になっているのがとても嬉しく思えた。
もし、このような考えやイメージがなく、目標タイム1時間を切らなかったら
駄目というドライな目標だけだったら、恐らく途中でレースは止めていただろう。
人は、未来のイメージで動くものである。
是非とも、社長も社員に我社の明るい未来イメージを伝えていただきたい。
執筆:野上智之