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王道の運転資金とは

運転資金の王道は、経常運転資金です。どんな企業にも存在する運転資金です。

 

経常運転資金とは、あなたの会社の売上債権+在庫を自社で立て替えている金額とし、一方で仕入債務を仕入先や外注先に立て替えてもらっている金額とし、その差額は、純にあなたの会社が立て替えている金額として、資金が必要になる、という考え方です。

 

計算式は、次のとおりです。

 

売上債権(売掛金+受取手形)+棚卸資産-仕入債務(買掛金+支払手形)=経常運転資金

 

例えば、月商50百万円、年商600百万円、粗利率50%、売掛サイト2ヶ月、在庫1ヶ月、買掛サイト2ヶ月の企業とすると、

 

売掛金 月商50百万円×2ヶ月=100百万円
在庫  月商50百万円×粗利率50%×1ヶ月=25百万円
買掛金 月商50百万円×粗利率50%×2ヶ月=50百万円

 

が通常の貸借対照表の姿となり、売掛金100百万円+在庫25百万円-買掛金50百万円=75百万円が、現金化されず立て替えている金額となり、この分、資金が必要となります。

 

また、売上が2倍となると、他の条件が変わらないとすると、売掛金、在庫、買掛金がそれぞれ2倍になるため、

 

売掛金200百万円+在庫50百万円-買掛金100百万円=150百万円

 

が現金化されず立て替えている金額となり、経常運転資金が2倍となります。

 

売上増加後150百万円-売上増加前75百万円=75百万円、経常運転資金が増えたことになり、それだけ資金が多く必要となり、これを増加運転資金と呼ぶことがあります。売上は増えるほど、資金需要が多く発生するものですが、そのカラクリはこのとおりです。

経常運転資金の融資方法

企業としては、この経常運転資金として必要な資金を、資本でまかなえないのであれば銀行からの融資でまかなうことが多くなります。

一番良い方法は、手形貸付で、3ヶ月ごとに手形を書き替えて返済せず借りっぱなしにする、俗に言うコロガシ融資、という方法で、銀行からずっと借りておくことです。

 

しかしコロガシ融資は返済がないことが基本であるため、その分、銀行の審査は厳しく、この方法で融資を受けられる企業はなかなかありません。そこで、コロガシ融資ではなく、分割の返済期間を長く(2年以上)した、長期運転資金として証書貸付で融資を受けることが多くなります。

 

しかし融資は、1年以内に返済する短期融資よりも、返済期間が1年を超える長期融資の方が、融資は出にくいものです。そこで、中小企業においては信用保証協会の保証を付けた融資とすることが多いです。

 

また、売上債権の中に受取手形があれば、この手形を支払期日前に銀行に買い取ってもらう融資方法である手形割引も使われることになります。

私が銀行員時代、融資係になってまず不思議に思ったことは、手形貸付で、3ヶ月に1回手形を書き替えて、ずっと返済することなく融資を借りっぱなしにしている企業が多くあったことです。

 

これが、今考えたらコロガシ融資のことであり、この融資を出しているのはメインバンクであることが多いものです。

 

コロガシ融資は企業の運転資金の根幹を支えるものであり、メインバンクがその出し手となることが多いです。

 

しかし、コロガシ融資を受けている企業は不動産担保を入れていることが多く、不動産担保がなければ、なかなかコロガシ融資を受けることはできません。またコロガシ融資は、融資期間6ヶ月や1年で、それを更新、更新、という形をとります。

 

コロガシ融資を受けている企業の業績が悪化したら、その更新を銀行は拒否し、一括返済を求めてきますが、金額は大きいので、やむなく分割支払いの交渉となります。

 

まとめますと、経常運転資金とは企業が純に立て替えていて資金が必要となる資金であり、それを補うのは銀行融資であることが多く、その形はコロガシ融資、長期の証書貸付、手形割引がある、ということを覚えておいてください。

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