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日傘理論を活用して「お金のセンス」を身に付ける

社長業にはその段階において、様々な資質が必要になります。

 

例えば、

 

・創業社長には営業力が必要になります。

 

・2代目以降の社長には、マネージメント力や事業を再構築する力が必要になります。

 

しかし、どちらも場合であっても必要な資質があります。それは、「お金」に対するセンスです。

 

例えば、

 

「値決めに対するセンス」が悪い会社は、繁盛貧乏を招きます。

 

「資金調達に対するセンス」が悪い会社は、事業の継続、立ち上げをすることができません。

 

そこで「資金調達に対するセンス」についてお話をしたいと思います。結論から申し上げると、資金調達は貸し手の論理が優先します。

 

→「お金は、必要な時に借りる。」(借り手の論理・雨傘理論)×

 

→「お金は、返済できそうな会社に貸す。」(貸し手の論理・日傘理論)〇

 

金融機関は、「お金」を貸すことが商売です。但し、「返してくれそうな会社に貸す。」と言うことが貸すことの条件となります。従って、金融機関には雨傘理論を通じないことを理解して下さい。

 

例えば、

 

・お金が必要になればお金を借りる、今は必要なないからお金を借りない。この考え方は、一見常識的に見えますがこれは借り手の論理です。だから、「雨が降ってきたから傘を貸してくれ」とする雨傘理論が生まれるのです。金融機関には雨傘は一本もないと理解して下さい。(※救済的な制度融資、制度保証のみが雨傘です!)

 

・お金が必要になった時、金融機関に駆け込む。

 

・「金融機関が融資を受けませんか?」と言ってきても今は必要がないからとむげに断る。

 

・ 資産背景のない創業者が「出来るだけ自己資金で初めて、必要になったら借ります。」

 

これらは、全て借り手の雨傘理論です。財務無策といっても過言ではないでしょう。

 

故に、

 

1.金融機関の日傘理論を最大限に利用する。(借りられる時には借りる)

 

2.借入を最大限に活用して、手元資金を出来るだけ潤沢にする。

 

3.金融機関とは継続的、戦略的な関係を継続する。

 

借入と返済、借入を繰り返しながら、手持資金の最大化を図る。と言った継続的な財務活動が必要になります。更に金融機関対応常識をもう少し具体的に見ていきましょう。

 

非論理的な二つの金融機関対応常識とは?

 

→借入は少ない方が良い!

 

→無借金経営を目指すからお金は借りない!

間違え常識その1:借入は少ない方が良い

ある会社の保有する現預金と借入額を比較してみました。正味の借入金額は、以下の全て2,000万円です。

 

A.現預金額 500万円 借入金額 2,500万円

 

B.現預金額 1,500万円 借入金額 3,500万円

 

C.現預金額 2,500万円 借入金額 4,500万円

 

あなたはどちらを選択されますか?これだけでは、与件が曖昧で正確な判断は難しいでしょうが、考え方としてご理解下さい。

 

Aは借入金額も少なく、現預金も少なくなります。負担する借入利息の少なくなります。Cは借入金額も多く、その分現預金も多くなります。負担する借入利息の負担も多くなります。

 

ここでAからCへ移行できない場合がある事を事実として認識して下さい。CからAへの移行は常に可能です。自らの意思で返済すれば良いからです。一方、AからCへ移行する場合、貸し出す金融機関の同意が必要になります。従って、経営の安定性、資金繰りに苦労しない確率は、AよりCの方が、はるかに高いはずです。『金融機関の日傘理論を最大限に活用しましょう。』とご提案しているのはこの為です。

 

D.現預金額 500万円 借入金額 2,500万円

 

E.現預金額 500万円 借入金額 0万円

 

このDとEでは、Eの方が良いでしょう。これで言えば借入は少ない方が良いとなりますが、上記と混同しないで下さい。

    

間違え常識その2:無借金経営が良い、故に借入はしない

ある会社の保有する現預金と借入額を比較してみました。

 

F.現預金額 500万円 借入金額 0万円

 

G.現預金額 1,500万円 借入金額 1,000万円

 

F.Gを比較して下さい。冒頭の理論と同じであり、共に実質無借金経営です。GはFに比べて、会社を守りきる為の余裕資金が多く、但し、金利負担が多いことを意味します。

 

「将来無借金経営を目指す」

 

→「必要な資金は借入で賄い利益を出す」

→「安定した会社になる」

→「借入に依存しなくてもよい会社になる」

 

と論理が成立します。ところが、「将来無借金経営を目指す」→「必要な資金も借入れない」に論理がつながりません。無借金経営は誰もが理想とする経営です。しかし、無借金で経営できる良い会社に仕上げる為には、その過程で資金が必要です。

 

充分な自己資金を備えていなければ、又、会社を守り抜くためには借入に頼る方法以外にありません。実は、無借金経営を目指すことと、借入を行い、利益を確実に追求することは、何の矛盾もないのです。

 

『無借金経営ができるぐらいの会社を築き上げる為には、会社を守り抜く為に借入を上手に活用し、利益を追求する。』

 

これが正しい理論ではないのでしょうか。

 

執筆:沖原厚則

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