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数年内に銀行融資の金利は上がっていくのではないか

2023年3月現在、日銀総裁が交代する最中ではありますが金融緩和は維持される方向とのコメントが報道されており公定歩合等の公的な金利については足許で大きく上がることはないように思われます。

 

金利が上昇すれば、投資活動が抑制されるばかりか、借入が大きい法人個人の返済負担が増すことが懸念されることが大きな要因です。

 

しかしながら、2年先・5年先迄展望するなら中小企業向け融資の金利は上昇していくのではないか、との予想をせざるを得ないことには注意しなくてはなりません。

銀行の既存の収益源は益々減っていく

元々、銀行の本業による儲け=収益というものは主に「融資金利」「手数料」です。

 

銀行は、将来的な日本の労働者人口減少・経済縮小を見越し融資金額の減少は避けられないため、手数料収益を伸ばしたい、とここ20年以上取り組んでいます。

 

金融商品で言えば投資信託や保険等の取扱もするようになりましたしM&A等のコンサル業務を行おうとするのも、その一環です。他商品の取扱をすることで手数料収益を得たい、というわけです。

 

そんな銀行に手数料収益の中でも、一番の柱は「振込手数料」です。つい最近までは銀行他一部の金融機関にしか取扱のできなかった振込は、独占的に取り扱うことで銀行にとって収益源でした。

 

が、既に規制緩和により銀行以外の事業者が振込を取り扱うことが認められていますし、給与振込についてはJCBやpaypay、楽天がデジタル決済による取扱を検討中であり、数年内にサービスが始まることが予測されています。

 

銀行のこれまでの収益モデルは崩壊しつつある、ということです。もちろん、銀行は他のサービス拡充も目指していますが、大抵の事業はレッドオーシャン(競合多数)であり、そう簡単ではないでしょう。

 

そこで、改めて金利収益=利ザヤを上げられないか、という考え方になるわけです。

金利の上げ方はどのように

金融の歴史、という見地から銀行(金融機関)は現在数が多すぎて競争過多になっておりそれが金利の引き下げ・利ザヤ減少を生んでいる、という状況ではあります。

 

企業から見れば、金利は小さい方が当然ありがたいのですが、過剰に利ザヤが小さくなっていることが、銀行のリスクテイクを不可能にしているのも事実ですのでここでは金利が高い=悪とは捉えません。

 

金利が上がります、その代わりこれまでできなかった融資もやります、となれば企業と銀行の間で新たな関係性が生まれる可能性が出てきます。

 

心配なのは、リスケその他の再生途上の企業で「返済を待つのはいいけれど、金利は上げさせて」と言われてしまうと、抵抗しにくいことが懸念されます。

 

どちらにせよ、政策としての金利動向とは違う角度から融資金利の上昇は充分すぎる程にあり得る、ということです。

 

金利負担の増加は断固として受け入れない方向でいくのか(ただし、限界はある)金利負担の増加を受け入れる代わりに、必要な借入を必要なだけできる体制とするのか経営者は、将来必要な自社の調達量と照らして考えていくことが求められていくのでしょう。

 

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この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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