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管理会計に頼りすぎ自社の状況を読み違えてしまう

経営者は財務や会計を理解しておくべきか、と言われれば人によって意見は分かれるでしょうけれども「全く知らなくてもいい」という方はそうはいないはず。利益が出ているのか、いないのかくらいは知っていないと経営になりません。ただ、全く知らなくてもいいとしたら、どのくらいまでは知っておくべきなのでしょうか?

 

税務会計上で表示される損益計算書は、常時・正しく会社の損益状況を明らかにしているわけではないため、(例えば、建設会社は完工基準でやっている限り、最終的な損益は全て終わった後でないと分からない)「損益計算書をみても意味がないのではないか」と考える経営者は相当数いらっしゃいます。

 

結果、そのような方は

 

  • 税務会計を理解することで実態の損益との違いを把握する
  • 税務会計とは別に管理会計を導入して損益管理する

 

のいずれか、もしくは両方を使って自社の利益を理解しようとします。

 

このアプローチは、間違ってなどいません。いないのですが、あまりにも管理会計に頼りすぎた結果自社の状況を読み違えてしまう、そんなご相談が最近いくつかございましたので簡単に紹介させていただきます。

 

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管理会計に頼りすぎ自社の状況を読み違えてしまう

 

利益の読み違いの構造

会社の資金繰りが思うようによくならない、何故だかよく分からないというご相談に対して、試算表その他の資料からは資金的に大変であろうことが読み取れる場合、社長の認識と客観的な状況がズレてしまっていないか検証する必要があります。

 

この場合「私の手元の資料では十分な利益とCFがある」と社長はお考えなわけですから、その資料を追加で拝見するわけですが、、、

 

管理会計的な社長の手元資料(ここでは、管理会計を「社長の手元管理上の会計」とします)は、たいてい原価・経費の全てを売上から差し引いているわけではありません最も簡単な例では「売上-仕入」のみ、多少項目が増えると仕入の他に人件費や家賃等を差引くようなものが多いでしょうか。

 

それは悪いことではないのです、重要な項目のみを抽出して管理することは、管理にかける手間暇をほどほどに済ますためには大事なことで、むしろそうするべきですらあるのですが原価・経費の一部を計上していない、ということは計上していない分の数値をある程度見込んで、それらをカバーできるだけの粗利を出す必要がある、ということになります。

 

例えば、「管理会計上の粗利では300万の利益を出すと、税務会計上の経常利益でほぼほぼ損益がゼロになる」という具合です。この、粗利の設定金額に問題が起こりやすいのです。

管理会計はよいものだが、使い方に注意

売上から仕入を引く、ここまでは大半の管理会計で行われていますが

 

  • 人件費
  • 本部経費
  • 営業経費(宣伝広告費や接待交際費、交通費等)

 

が考慮・反映されていないことで、管理会計上利益が出ていても税務会計上、ひいては実態としてではそうではない、となります。

 

年商数億円(未満)の会社であっても、月間で200万程利益を見誤ってしまっていた、という経営者様もいらっしゃり、年間では2000万円以上の赤字であることに気づくことが遅れてしまった、という結果を招いていました。

 

管理会計は事業の要点を知る点で優れていますが、税務会計(もしくは財務会計)との不具合が判明した場合には内容を即座に究明する必要があります。経営者は、日常的に自ら確認する管理会計を信じたいものですが正しいことが多いのはより会社の全ての活動を反映している税務会計の方なのですから。

 

管理会計は、経営者に経営の急所を教えてくれるものである一方で設定を間違うと状況把握そのものを狂わせるものである、と理解していただき、改めて正しく運用していただければ幸いです。

 

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この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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