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M&Aで大切な「シナジー戦略」と「相互リスペクト」

本日は、私が中小企業のM&Aを20年近くやってきて、大切だと思うことを2つをお伝えしようと思います。その2つとは、タイトルにあるように「シナジー戦略」と「相互リスペクト」です。まずは、「シナジー戦略」からご説明しましょう。

シナジー戦略について

買い手様は、何故、事業や企業を買収するのでしょうか?

 

ボランディアで買収する訳ではありません。そして、1+1=2になるような買収(単に子会社、グループ会社を増やし、その相関図を眺めるだけの行為)でもないはずです。

 

少なくとも1+1が2を超える買収を目指すと思います。1+1が2を超えるとは、売り手様のリソースと買い手様のリソースを併せてシナジー効果を生み出すことです。

 

ですから、取得後のシナジー効果を生み出すための精査、つまり、取得後の事業計画は、徹底的に行うべきなのです。売り手様へのインタビュー、質問、調査もシナジーを生み出すための事項を優先すべきです。

 

当たり前のことですが、これが意外にできていない買い手様が結構いるんです。粗を探すような枝葉末節事項を優先的に質問する買い手様が結構おられます。

 

勿論、そのような細かな質問も買収完了までには必要なのですが、まずは、売り手様の

 

  • ビジネスモデル(バリューチェイン)
  • 収益の源泉
  • ステークホルダーとの関係/継続性
  • SWOT分析
  • 従業員のスキル/役割
  • 組織の力学

 

などを優先的に理解することが重要です。

 

それらのどこか弱み或いは強みを買い手のリソースで克服できるか、或いはさらに伸ばせるかを確認(シナジー効果の確認)するのです。

相互リスペクトについて

次に、「相互リスペクト」です。よくM&Aのハウツー本やセミナーで語られているのは、買い手様は、売り手様へのリスペクトを持って交渉にあたれと言われています。

 

それはそれで勿論、重要なのですが、反対のリスペクトも同じくらい重要です。つまり、売り手様の買い手様へのリスペクトです。買い手様も、遊びで買収する訳ではありません。

 

上記の「シナジー戦略」でも触れましたが、1+1が2を超えるために、売り手様と同じくらい覚悟(これから、売り手様/買い手様双方を背負って行くという覚悟)を持って買収の意思決定をしているはずです。

 

売り手様、買い手様とも相互に同じ「覚悟」を持って売却、買収の意思決定をしているということを相互に理解するようにしてください。お相手にこの覚悟が感じられない場合は、ノーディール(その相手に対してM&Aをしない)にすればいいと思います。

 

リスペクトを阻害する理由は様々あるのですが、我々M&Aアドバイザーから見て、非常に勿体無いなぁ。。。と思う阻害要因は、「ペライド」です。どこか、相手より自社が優れているとか、人間で言うと家柄が違う的な感覚です。

 

相互補完するリソースはあるのに、このペライドが邪魔をするのです。

 

このペライドを克服できないまま、相互補完リソースがあるなら結婚(M&A)をしなさいと言っている訳ではありません。

 

このペライドが本来最良かもしれない結婚を邪魔をする可能性があるということ、或いは、自身がこのペライドを持っていないかを、是非じっくり考えてみてください。

 

※プライドではなく、敢えて(ペラペラなプライドという意味で)ペライドと表現しています。

この記事の著者

  • 松原 良太

    ・青山学院大学経済学部 卒業
    ・オーストラリアボンド大学 大学院 経営学修士課程(MBA)修了。
    ・財団法人日本M&Aアドバイザー協会 代表理事
    ・株式会社ビザイン 代表取締役パートナー
    ・AMD capital management 株式会社 代表取締役
    ・株式会社ビザイン・ファミリー・アドバイザーズ 取締役
    ・近著(共著):この1冊でわかる M&A実務のプロセスとポイント

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