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小規模M&Aとは?中小企業の買収規模と成功のポイント徹底解説

スモールM&Aの規模の定義

弊社は、スモールM&A+(プラス)という登録商標を保有し、一般的なM&A(第三者への事業・企業承継)以外にも規模の小さいM&Aの支援を行っております。

 

今回は、それに関連して、規模の小さいM&Aとはいいますが、実際どの程度の規模のM&Aを小規模とかスモールと定義しているの?という疑問にお答えしたいと思います。

 

まず前提として、どの程度の規模を小規模或いはスモールM&Aと定義するのか?

 

という質問に対する公知の解はありません。M&Aアドバイザリーの会社が、どの程度の規模をターゲットとしているかによって各社の解がバラバラです。

 

あるM&Aアドバイザリーの会社にとって小規模の案件が、同じ案件でも別のアドバイザリーの会社からすると大規模な案件になることもあります、当然その逆もあります。

スモールM&A市場の現状

上記のようなM&Aを積極的に支援するM&Aアドバイザリー会社はそんなに多くありません。もっと正確に言うと、小規模に則した報酬体型を用意しているM&Aアドバイザリー会社は多くありません。

 

例えば、金融機関様或いは大手のM&Aアドバイザリー会社などの最低報酬額は、1,000万円とか2,000万円です。M&A案件の譲渡価格が2,000万円の場合、その全額を報酬としてM&Aアドバイザリー会社に支払うことになってしまいます。

 

小規模(スモール)のM&A案件も対応可能というM&Aアドバイザリー会社があったとして、その最低報酬を確認すると、どの程度の規模をそのアドバイザリー会社が小規模(スモール)を定義しているのか分かると思います。(最低報酬が低いほど、より小規模案件に取り組んでいるということ)

エクステンドが定義するスモールM&A

では、スモールM&A+(プラス)という登録商標を持つ、弊社が考える小規模(スモール)の案件はどのような規模(状況)を想定しているかご説明いたしましょう。

 

以下の条件(状況)のどれかに当てはまるM&A案件を小規模(スモール)と概ね定義しています。

 

・純資産が5,000万円以下(純資産マイナスも含む)

・(想定される)譲渡価格が0円〜5千万円

 

弊社では現在、全国の地方銀行様・大手アドバイザリー会社を中心に自社では規模が小さく、最低報酬の観点から、支援するこができない小規模(スモール)なM&A案件をご紹介いただきご支援するという連携を拡大しております。

 

引き続き、本来なら第三者への譲渡ができたはずなのに、規模が小さいからM&Aできないと思って、廃業しました。。。ということの撲滅を目指して今後も精進して参ります。

小規模企業同士のM&Aの特徴

私は、この仕事(中小企業のM&Aのアドバイザー)をやらせていただき、もう15年以上になります。その中で、数は多くはありませんが、M&Aの買い手様が、売り手様の規模と同程度或いは、売り手様より規模が小さいケースがあります。

 

実は、そのようなケース(小が大を買収)の買い手様は社長も若く、情熱的、野心的でありながら、人当たりが良い(謙虚)である場合が多いです。

 

これはこれで、素晴らしいことです。

小が大を買収する際の注意点

しかし、このようなケースに、共通する留意しなければならないこともあります。それは、買い手側の規模が対象企業(売り手企業)より小規模であるゆえ、

 

  1. 買収資金を調達できない、買収資金を退職金名目などだけで対象会社(売り手企業)から支払おうとする。
  2. 旧オーナー(通常は兼代表取締役)が負っている連帯保証を解除できない。

 

上記2点について、売り手側・買い手相互に事前に承諾・合意がある、つまり、

 

  • 客観的な企業・事業価値よりも低価で売却することに同意する
  • 対象企業のM&A前の価値を大きく毀損、或いは、税務当局に損金として認められるであろう範囲を超えてまで、退職金を払い出すことに同意する
  • M&A後、旧オーナー(兼代表取締役)が連帯保証人の地位であり続けることに同意する

 

があった場合は、当該M&Aを進めてもいいでしょう。しかし、一般的には上記の同意をすることは難しいでしょう。

実際の相談事例とリスク

実際に最近、このようなケースに該当する相談を受けました。相談内容は、以下の通り。

 

・親族・社内にも後継者がいないので、会社を売却しようと思って動いていた。

 

・紹介者(専業のM&Aアドバイザーではない)を通じて、買い手企業を紹介された。

 

・買い手企業の代表とも面談したが、人間性と事業に取り組む姿勢はとても共感でき、気に入った。

 

・しかし、売却希望金額を調達することができず、対象会社にある現金を退職金として支払うことで買収としたい。(つまり、買い手側企業は1円も拠出しない)

 

・それだけではなく、規模が小さい(=信用力がない)ため、対象企業(売り手側企業)の銀行団から、借入を一括返済以外に旧オーナー(兼代表取締役)を連帯保証人から外すことはできないかもしれないとの回答あり

 

・これでも当該M&Aを進めるべきか…

 

というものです。このご相談に対する私の回答は”否”、つまり、そのM&Aは進めてはいけないということです。

 

買い手企業の代表がどんなに、素晴らしい人であったとしても、それは、売り手様のリスクヘッジには1ミリも寄与しません。

 

それどころか、よくよく考えてみると買い手側は、当該買収をするにあたり、少なくとも直接的なハートマネー(自らが直接傷つく・直接リスクを負う)を1円も使っていません。

 

これは、シード期のベンチャー企業が1万円で会社を設立して、1億の出資を投資家に依頼するくらいナンセンスな話です。

成功するスモールM&Aの条件

私もかつてベンチャーキャピタル事業にも携わっていましが、身銭を切らない投資家への出資は絶対に行いませんでした。身銭=覚悟だからです。

 

M&Aも同じだと思っています。小が大を買収しようとするM&Aの場合

 

  • 売り手様は、情ではなく、実利・実質的に、リスクヘッジできているかを考えるべき。
  • 買い手様は、身銭を切れないM&A、旧オーナー(通常は兼代表取締役)を連帯保証から解除できないM&Aは絶対にすべきではないと思います。

まとめ:情と実利のバランス

本日は、小が大を買収ということをテーマとしましたが、情と実利・実質をじっくり冷静になって検討するということは交渉の基本ではないかとも思います。※なお買収資金を株式譲渡代金と一部退職金とに分けることは一般的に行われております。

 

スモールM&Aは、中小企業の事業承継問題を解決する重要な手段です。しかし、規模が小さいからこそ、より慎重な検討と適切なアドバイザーの選択が必要になります。

 

弊社では、真にスモールM&Aに特化した報酬体系とノウハウで、小規模企業の事業承継をサポートしております。売り手様・買い手様双方にとって最適なM&Aの実現を目指して、今後も取り組んでまいります。

 

エクステンドでは、経営者様からの無料相談を受け付けています。スモールM&A・事業承継・小規模企業の買収をご検討中の方はお気軽にご相談ください。まずは下記バナーより「無料相談」をご利用ください。M&A・事業承継の専門コンサルタントが親身になって対応致します。

この記事の著者

  • 松原 良太

    ・青山学院大学経済学部 卒業
    ・オーストラリアボンド大学 大学院 経営学修士課程(MBA)修了。
    ・財団法人日本M&Aアドバイザー協会 代表理事
    ・株式会社ビザイン 代表取締役パートナー
    ・AMD capital management 株式会社 代表取締役
    ・株式会社ビザイン・ファミリー・アドバイザーズ 取締役
    ・近著(共著):この1冊でわかる-M-A実務のプロセスとポイント

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