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赤字補填の借入の見分け方

資金調達には、大きく分けて2種類の性質があります。

・売上増加にともなう運転資金、生産力増強のための設備資金など、前向きな資金調達

・赤字で資金が減少していくにあたって、その補填のための後向きな資金調達

借りる方としては、この2種類、どちらの性質の資金調達かは、どうしても主観によって見てしまうため、見方をあやまってしまいます。

例えば、実際は赤字補填のための資金調達であっても、

「新規事業を起こすため」

というように、理由を無理やり作って(そして自分で思い込んで)、資金調達を行います。

しかし、実際は赤字補填の資金調達となっていることはよくあるものです。

実際は前向きな資金調達なのか、後向きな資金調達なのか、簡単に見分ける方法があります。

売上が増加していないことを前提として、決算期ごとに、借入総額が増えていっているかそうでないかを見ることによって、見分けることができます。

例えば、ある企業を例にしてみます。

年商は3億円で、変動がないとします。

一方、借入総額を見ると、

平成17年3月期80百万円
平成18年3月期110百万円
平成19年3月期150百万円

と、増え続けているとします。

売上が増えていないので、売上が増えるにつれて必要となる運転資金(売上が増えるに伴って売掛金や在庫が多くなることによって必要となる運転資金これを増加運転資金という)は基本的に発生しません。

一方、設備投資も増えていない(貸借対照表の有形固定資産を見ると分かります)、現金預金が増えているわけでもないとすると、借入総額が増え続けるのは、明らかにおかしいわけです。

このパターンの企業は、ここ数年の借入は、赤字補填のためであった、といって間違いないでしょう。

一方で損益計算書を見ると、ここ数年赤字であったとしたら、まさにそのとおりとなります。

損益計算書が黒字であったとしても、このパターンの企業は、売掛金や在庫が大きくふくらんでいたりします。

その中身は、不良売掛金や不良在庫であったり、架空売掛金・架空在庫、いわゆる粉飾決算で黒字が作られていたりします。

実際に、自社はどうであるか、数年の決算書を見てみてください。

このパターンに陥っているのであれば、赤信号と言えます。(黄信号ではなく赤信号です。)

このパターンの企業は、赤字を早期に黒字に改善しないかぎり、借入で赤字を補填し続けるしかありません。

しかし、銀行が融資をする量にも限界があります。上記の例で言えば、年商300百万円の会社に対して借入総額が150百万円と、限界に近づきつつあります。

銀行が融資を出し続けるにも限界があります。年商300百万円の企業に、借入総額を300百万円や、500百万円になるまで融資し続けることは、さすがに難しいでしょう。

そして、銀行からの融資が止まった時点で、その企業は一気に苦しくなってしまいます。

このパターンの企業で、資金繰りが苦しくなった原因を聞くと、

「銀行が融資してくれないから。」

と言う経営者がいます。

私は違う見方をします。上記の例で言えば、銀行は借入総額150百万円になるまで、よく融資を出し続けてがんばったね、という見方をします。

資金繰りが苦しくなったのは銀行のせいではないですよね。赤字を黒字にする対策を怠り続けた経営者の問題ですよね。

原因を他人(銀行)のせいにすると、経営者になんの反省も生まれず、その会社は改善、いや改革していくことはできません。

早めに気づいてください。

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