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銀行員に言ってよいこと、いけないこと

2015年4月24日号

銀行に、自社のことをどこまで言ってよいか?とは、経営者からよく聞かれ
る質問です。

まず、自社の業績が悪くなった場合。それは、試算表や決算書に現れること
でしょう。それを粉飾して良い業績のように見せるわけにはいきません。
この場合、実際に悪くなった試算表や決算書は包み隠さずに見せるべきです。

そして銀行は、この悪くなった業績を、経営者はどのように立て直すか、
経営者としての手腕を見ています。経営改善計画書を作成して提出し、
どのように会社を良くしていくかを銀行に伝えるべきです。

業績が悪くなり、融資が受けられなくなってもおかしくないのに、会社を
どう良くしていくか、経営改善計画書を見て、銀行は融資を行うことがよく
あります。融資が受けられないのは、経営が不透明だから、そして将来の
見通しが見えないからです。

悪くなった時に包み隠さず銀行に相談してくれる社長、そして悪くなったら
どのように会社を良くしていくのか、計画を立てられる社長を、銀行員は
信用します。

多少業績が悪くなっても、融資は行ってくれることが多いですし、また融資
が行えなくても、一方で既存の融資の返済負担が大きい、その返済を減額・
猶予するリスケジュールという方法を検討してくれます。

逆に、業績が悪くなったら、決算書や試算表を粉飾して良く見せようとする
経営者。そのような企業は、粉飾決算を銀行は見破れず、銀行は融資を
行ってしまいます。しかしその融資は企業の赤字補てんに消え、銀行からの
借入金はどんどん膨れ上がっていきます。

しかし銀行は、一企業に融資を限界なく行えるわけではありません。やがて
粉飾決算でも融資を受けられない時がきます。その時には膨大な借入金が
残り、銀行としても手の打ちようがなくなってしまいます。

また、例えばある事業や店舗を撤退する時。これは悪いことのように見え
ますが、撤退すれば赤字事業や赤字店舗がなくなる、そのような前向きの
理由を、部門別損益などの資料も添えて銀行に説明することにより、撤退
資金の融資を受けることも可能です。

例えば、株式の後継者への売却などで株価を下げたく、政策的に赤字にした
場合、その理由を株価算定や事業承継計画などの資料も添えて銀行に説明
することにより、銀行は変わらず融資を行ってくれるでしょう。

なお銀行と、口頭で交渉した記録は、銀行内でとっておかれるものです。

ある時、社長は銀行員に言いました。「これから3ヶ月に1回、試算表を
銀行に提出します。」それは銀行内に記録されます。

試算表の内容が悪いからと、社長が忘れたふりをしても、銀行では3ヶ月に
1回、この会社から試算表が提出されることが記録されています。

企業側も、銀行とどのような交渉をしてきたか記録をとっておき、約束した
ことは忠実に守っていくと、銀行からの信用は高くなることでしょう。

銀行員に言うことを気をつけた方がよいこと

一方で、余計なことを言ったばっかりに、銀行から融資が出なくなるケース
を時々、目にします。

注意しなければならないことは、経営者や会社が、反社会的勢力と思われて
しまうことです。

反社会的勢力とは、暴力や詐欺的手法などを駆使して経済的利益を追求する
集団や個人のことを言います。

代表的な反社会的勢力は暴力団ですが、そうでなくても、犯罪歴があった
り、犯罪ととらえられかねないことでもめていたりする場合、それが銀行に
伝わると、それは銀行内に記録され、今後の融資が受けられなくなって
しまいます。

また自分が反社会的勢力でなくても、反社会的勢力と取引していたり、懇意
にしていたりすると、銀行は警戒することでしょう。

経営者の中には、自分の武勇伝として余計なことを銀行に言ってしまう人も
います。

例えば、自社が取引先をだまして不当な利益を得たと、取引先から損害賠償
を請求されている場合。

この場合、身に覚えがなければ、取引先と争っているというようなことは、
わざわざ銀行に伝える必要はありません。

銀行は、一回聞いたことは聞かなかったことにはできないのです。それが
上司、支店長に報告され、それが本部にも報告され、融資を受けることは
以後、困難となります。

ここまでの話でなくても、昔はやんちゃだったとか、不倫をしているとか、
そのような話でも、銀行員や銀行の体質によっては、それを大きくとらえる
こともあります。そしてその銀行から融資が受けられなくなることがあり
ます。

そして一つの銀行から融資が受けられなくなれば、やがて他の銀行もその
事実に気付くため、どの銀行でも融資が受けられなくなる可能性が高いで
しょう。

反社会的勢力については、銀行とつきあうためには特に気をつけなければ
ならないことです。

当然ですが、自分や会社が反社会的勢力にならないこと、反社会的勢力と
つきあわないこと、そして自らが犯罪をしないことです。

そして、余計なことは銀行に言わないこと。武勇伝を話したがる経営者は
特に気を付けなければなりません。

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