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中小企業金融円滑化法が終了したら

中小企業再生支援協議会の相談受付数が減少しているのはなぜか

中小企業再生支援協議会、みなさんも聞いたことがあるのではないでしょうか。もしくは、当協議会に相談に行った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

中小企業再生支援協議会とは、下記ページ「経済産業省・中部経済産業局」から抜粋すると、

 

「中小企業再生支援協議会とは、商工会議所、商工会連合会、政府系金融機関、地域の金融機関、中小企業支援センター及び自治体等から構成され、関係者間の日常的な連携を図ることで、地域の実情に応じたきめ細かな中小企業の再生への取り組みを支援するため、経済産業大臣の認定により設置された機関です。

 

具体的には、事業再生の意欲がある中小企業者に対して中小企業再生支援協議会に常駐する支援業務責任者及び窓口専門家が中小企業の再生に関する相談を受け、助言を行います。相談においては、企業再建型の再生に限定することなく、基本的な対応の方向性について適切な判断を行い、対応策を提示します。

 

また、相談のうち、事業再生は可能であるが、抜本的な財務体質や経営改善が必要な企業について、支援業務責任者自らが個別企業の取り組みを支援し、必要に応じて中小企業診断士、弁護士等の専門家に依頼して、共同で再生計画の作成支援等を実施します。」

とのことです。

 

また、中小企業経営支援課から出されている、下記資料(PDF)によれば、平成15年2月に発足以来、平成22年度末(平成23年3月)までに22,140社からの相談に応じています。ちなみに、同期間(平成15年2月~平成23年3月)の、弊社への相談件数は5,645件ですから、弊社にいただくご相談の、約4倍の規模の相談を、当協議会は受けていることになります。

 

また、年度ごとによれば、当協議会の相談受付数は、下記のとおり推移しています。

 

平成16年度 2,666件
平成17年度 2,798件(前年度比+5%)
平成18年度 2,584件(前年度比△8%)
平成19年度 2,731件(前年度比+6%)
平成20年度 3,164件(前年度比+16%)
平成21年度 2,873件(前年度比△9%)
平成22年度 1,929件(前年度比△33%)

 

注目いただきたいのは、平成21年度~22年度(平成21年4月~平成23年3月)にかけて、相談件数が大きく減少していることです。その原因として考えられるのが、中小企業金融円滑化法(以下、金融円滑化法)の施行です。

 

この法律が施行されたのは平成21年12月です。

 

金融円滑化法により、今まで一般的でなかった、融資のリスケジュールという手法が広まり、金融機関は企業からのリスケジュールの要請を受けてくれやすくなったため、それで多くの企業がリスケジュールし、融資の返済を大きく減額できたため、ひとまずは資金繰りがまわるようになり、わざわざ中小企業再生支援協議会に相談を持ちこまなくてもよくなった、と言えます。

 

しかし、リスケジュールを行って融資の返済金額を大きく減額できたということは、経営が改善されたということを意味するものではありません。今まで毎月返済していたものを、返済しなくなったから、資金繰りがまわっているだけです。

リスケジュールを行っている企業が考えなければならないこと

リスケジュールを行っている企業は、リスケジュール中に、経営改善を行って黒字化をはかり、返済が再開できるようにしていかなければなりません。

 

リスケジュールは、永久に返済金額を減額できるものではありません。一時的に返済金額を減額できるものであり、いずれ返済を元に戻さなければならない時期がやってきます。

 

もしあなたの会社がリスケジュールを行ったのなら、その時に交わした借入金変更契約書には、リスケジュールの期限は○年○月○日までとする、という条項があるはずです。

 

これは、そのとおり、リスケジュールで返済金額を減額できるのは、期限が決められており、その日をすぎると返済金額を元に戻さなければならないということなのです。この期限が来たら、再度銀行に交渉することで、期限の延長を行うことができますが、しかしそれを銀行が拒否したら、期限の延長はできないことになります。

 

また、金融円滑化法の期限は平成24年3月までです。これも、本来は平成23年3月までのものであったのが、1年延長されたものです。平成24年3月に金融円滑化法が終了した後、銀行はリスケジュールについてどう対応してくるか、現時点では見えてきません。

 

想定されるのは、リスケジュールしている企業は次の2パターンに分けられるのではないか、ということです。

 

  1. 経営改善が進んで黒字化されてきていて、将来は返済を元に戻せるだろうと見込まれ、それまでは銀行も協力的で、リスケジュールは引き続き更新されていく企業。
  2. 経営改善が進んでいないため、将来も返済が元に戻される見込みがないとされ、リスケジュールから先の処理(競売や差押え、連帯保証人への取立てなど)に入ってしまう企業。

 

現在リスケジュールを行っている企業であれば、上記パターン2にならないように、経営改善を行い、黒字化を進める必要があります。もしあなたの会社がリスケジュールを行っているのであれば、平成24年3月に金融円滑化法が終了した後を見据え、対策を行っていく必要があります。

 

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