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銀行が決算書を見るポイントとは

決算書は融資審査の8割のウェートを占める

銀行の融資審査において、決算書は、融資審査のウェートの8割を占めます。当然、粉飾決算は行ってはいけませんが、粉飾決算ではなくても、財務体質の改善、それと決算書の作り方の工夫により、融資を受けやすい決算書にしていくことはできます。

 

決算書の中心は、

 

・貸借対照表
・損益計算書

 

ですが、銀行員は、それぞれ、どういう見方をするのか、それを簡潔にお伝えします。

貸借対照表

貸借対照表では、何よりも「純資産」です。貸借対照表の右下を見ると、純資産、と書いてあります。これは、プラスでないと、融資は困難となります。純資産は、総資産-総負債、で計算されますが、これがマイナスということは、資産を全て売り払っても負債が残る状態となり、債務超過、と呼ばれます。

 

純資産がマイナス、つまり債務超過の企業は、融資を受けることが困難となります。

 

またこれがプラスであっても、決算書の資産科目をそれぞれ精査すると、資産として計上されている金額ほどの価値が、実際にはなくなっていることがあります。

 

例えば、支払ってもらえる可能性の低い売掛金は、その分、資産価値は低くなります。

 

このように、貸借対照表で計上されているそれぞれの資産が、実態はどれだけの価値があるのか計算していくと、資産を合計した総資産の実態が低くなり、貸借対照表上は純資産がプラスであっても実態の総資産に引き直した場合、純資産がマイナスとなれば、それは実質債務超過と呼ばれるものとなり、この場合も、融資を受けることは困難となります。

 

純資産は必ずプラスにすることが、融資をスムーズに受けるためには何よりも重要となります。

 

また、純資産の絶対額は大きければ大きいほど、それだけ財務体質が万全と見られ、また純資産を総資産で割った比率である自己資本比率が高ければ高いほど、財務体質は万全と見られ、それだけ融資は受けやすくなります。このように、貸借対照表では、なによりも純資産が重要となります。

 

その次に、決算書上の借入金の水準が重要となります。

 

貸借対照表の負債の部に計上されている借入金を合計したものが総借入金となりますが、この総借入金が、月商の何倍であるか、これが借入金月商倍率と呼ばれるものであり、その指標で、企業の借入金の水準を、銀行に見られることになります。

 

例えば、年商が180百万円、それを12ヶ月で割って月商が15百万円、総借入金が45百万円の企業は、45÷15=3となり、借入金月商倍率は3ヶ月、ということになります。

 

銀行の見方としては、次のとおりです。

 

借入金月商倍率が

 

0~3ヶ月 借入金水準は適正

3~6ヶ月 借入金水準は多い

6ヶ月~  借入金水準は過大

 

不動産賃貸業など、借入金を多く必要とする業種は除いて、このような見方を銀行からされることになります。あなたの会社の借入金水準はどうでしょうか。見てみてください。

損益計算書

損益計算書では、「営業利益」「経常利益」が、特に銀行に見られることになります。

 

企業の利益には他に「当期純利益」がありますが、当期純利益は、その期特有の特別利益・特別損失によって大きく左右されるものであり、そのため当期純利益は、企業が事業でどれだけ利益を稼ぐ力があるのかを見る数値としては適しません。

 

例えば、経常利益が20百万円あるのに、不動産売却損で△30百万円を出していたら、当期純利益はマイナスとなってしまい、その企業が事業でどれだけ稼ぐ力があるのか、これでは分かりにくいです。そのため、銀行は企業が事業でどれだけ利益を稼ぐ力があるかを見るために、営業利益、経常利益を見ることになります。

 

営業利益は企業が事業でどれだけ稼ぐ力があるか、経常利益は企業がコンスタントにどれだけ稼ぐ力があるか、を見ることができる数値です。

 

この営業利益と経常利益、何よりもプラスであることが重要です。

 

これがマイナスであれば、企業の稼ぐ力がないことになり、それでは銀行としては、融資をしても最後まで返済してもらえるか不安となり、融資は困難となります。営業利益・経常利益は必ずプラスであることが、融資をスムーズに受けるには重要です。

 

また営業利益・経常利益の絶対額が大きければ大きいほど、それだけ融資は受けやすくなります。それと、売上高に対する比率、つまり売上高利益率でも、どれだけ企業が稼ぐ力があるか、見られます。営業利益を売上高で割った売上高営業利益率、経常利益を売上高で割った売上高経常利益率、で見られます。

銀行が決算書を見るポイントを簡単に押さえておく

以上、貸借対照表では何よりも純資産、そして次に借入金月商倍率が、損益計算書では営業利益、経常利益が、銀行が見るポイントとなります。決算書では他にも多くの数値がありますが、これらに比べれば、重要度はずっと低いです。

 

銀行が決算書を見るポイントを押さえ、融資を受けやすい決算書にするにはどうするか、考えてください。

 

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