コラム

千葉県にはさまざまな業種の中小企業があります。千葉県内だけでなく、全国的にも事業継承・事業引継ぎの問題を抱える中小企業は多く、今後、事業承継ができる後継者の不足から中小企業の倒産や廃業が相次ぐのではないかと危惧されています。

M&Aは、事業承継や事業引継ぎに悩む中小企業の問題を解決する有効な手段の一つです。今回は、千葉県のM&Aや事業承継の現状と、M&Aによる事業承継・事業引継ぎのメリットについてご説明します。

M&Aは事業承継の問題を解決する一つの手段として、中小企業からも注目を集めています。M&Aによる事業承継にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

M&Aとは合併を表す「Merger」と買収を表す「Acquisition」の略で、企業の合併・買収を表す言葉です。M&Aには、株式を取得することによる買収や事業譲渡による買収、吸収合併、会社分割などさまざまな形態があります。

M&Aを行う際には売り手企業と買い手企業の条件が合致する必要があり、M&Aは、売り手側企業にも買い手側企業にもメリットがなければ成立はしません。

M&Aでは、売りが手側企業と買い手側企業の両者に、次のようなメリットが生じます。

• 後継者不在の問題を解決し、事業承継・事業引継ぎが可能になる
• 事業の継続や拡大が期待でき、従業員の雇用を安定させられる
• 事業承継に伴い、これまでに培ってきた技術やノウハウ、取引先の承継もできる
• 個人保証を解除でき、創業者利益が得られる

• 売上を拡大できる
• 短期間で新規事業への参入や事業の多角化が図れる
• 人材、取引先、設備、ノウハウなどを一括して承継できるため、スムーズに新規事業を立ち上げられる
• 売上の予想を立てやすいため、低いリスクで投資ができる

事業承継を進めたいものの、親族や従業員に適した人材がいない場合は、第三者に事業を承継することも検討しなければなりません。しかし、中小企業の経営者の中には、身内ではなく他者に事業承継をすることに抵抗を感じる方も少なくないのが現状です。

日本ではM&Aと言えば、大企業同士の合併のイメージが強くありますが、昨今では、事業承継の問題を解決する手段として、中小企業も積極的にM&Aを活用しています。

M＆Aによる事業承継の魅力は、幅広く事業を引継げる先を探すことができるという点です。さらに、経営者は個人保証を解除し、会社の売却利益を得られる点、従業員や取引先も承継できる点も安心できるポイントとなるでしょう。

2022年に帝国データバンクは、千葉県の中小企業を対象に事業承継に関する意識調査を行っています。その結果、千葉県内の中小企業の後継者不在率は低下していることが分かりました。

調査によると、千葉県内の中小企業のうち、後継者が不在であると回答した企業の割合は51.8％です。これは、2011年の調査開始以来、最も低い数値で、コロナ前の2019年と比較すると13.3ポイントも低下しています。

その背景には、事業承継に対する意識の変化が見受けられます。2018年、千葉県内の中小企業の事業承継は41.7％が同族承継によるものでした。しかしながら、2022年の同族承継の割合は32.3％にまで低下しており、M&Aによる事業承継が初めて20％を超えています。

2022年の調査では、内部昇格による事業承継が30.4％、M&Aなどによる事業承継が21.7％、外部招聘による事業承継が7.4％と、第三者への事業承継の割合が6割近くに達しています。

親族以外の第三者に事業を承継することに抵抗を感じている経営者も少なくありません。しかしながら、血縁関係にこだわりすぎてしまい、閉業しなければならなくなると、これまで培ってきた技術やノウハウも承継できず、従業員の雇用も守れなくなってしまいます。千葉県内では、M&Aをはじめとした第三者への事業承継により、会社や事業を守っていくという認識が広がり、同族経営からの脱却が進んでいると考えられています。

参照：帝国データバンク「特別企画：「後継者不在企業」動向調査（2022年・千葉県）」

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/s221201_26.pdf

M&Aによる事業承継の魅力は、これまで培ってきた事業や技術、ノウハウ、そして従業員を買い手側の企業にそのまま承継できる点にあります。大切に育んできた技術やノウハウ、会社を支えてきた従業員を今後、どのようにつなげていくかは経営者にとって大きな課題です。後継者が不在の場合は、経営者一人が責任を負い、頭を悩ませてしまうこともあるでしょう。

大切な事業や大切な技術を、第三者の企業に売却することは、会社を手放してしまうようで虚しさを感じてしまうかもしれません。しかし、事業承継ができず、このまま廃業してしまえばすべては0になってしまう可能性があります。一方、M&Aによって信頼できる第三者に売却できれば、これまで育んできた技術やノウハウ、大切に守ってきた従業員の雇用は、買い手側企業に脈々と引継がれることになるのです。

中小企業の経営コンサルティングを専門に行うエクステンドでは、経営者様の想いにしっかりと寄り添いながら、M&Aを含めた事業承継にまつわる課題を解決するサポートを行っています。中小企業庁のM&A支援機関にも登録しており、M&Aの専門家として、大小さまざまな企業のM&Aに取り組んできた実績があります。千葉県内で事業承継やM&Aを検討されているようであれば、ぜひ一度エクステンドにご相談ください。

電話相談は無料で承っておりますので、お悩みはもちろん、不明点などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

千葉県内では、後継者不在率が低下しています。しかしながら、まだは多くの企業が事業承継の問題を抱えているのも事実です。

M&Aに抵抗を感じるケースも少なくありませんが、大切な事業、大切な技術を後世につないでいくためにM&Aは非常に有効な手段です。M&Aを成功させるためには、希望の条件に合致するだけでなく、大切な事業を承継できる相手であることも大切です。

エクステンドでは、一つひとつの会社の状況や要望に合ったM&Aスキームの提案をし、納得できる企業のご紹介をしております。初回の電話相談は無料で承っており、経営セミナーやメールマガジンの配信なども行っています。M&Aや事業承継でお悩みでしたら、ぜひ無料相談や経営セミナーなどをご活用ください。