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正常運転資金を大事に

ここ1年程で、私のお客様でも

 

  • 債務超過でリスケ中
  • 業種柄、銀行が新規融資に及び腰

 

の状況からでもプロパー融資を得られたり、

 

  • リスケを解除して銀行取引を正常化しても、毎月の返済金額が増えない
  • リスケ解除時に、全ての借入金利を0.5%以上削減して収益改善に成功

 

するような案件・お客様企業がでています。上記のような成功例は、お客様企業自身のご努力あってこそですが、銀行に何を伝えたのか、というのが大きなポイントになった案件であり、これからの融資審査のトレンドともなるものです。今回はその点に触れていきます。

 

「正常運転資金について当社では原価の支払いの一部を未払金に計上しているため計算上の正常運転資金が実際と異なってしまうが問題になるだろうか?」というご質問に対する対応方法をまとめた動画もあわせてチェックしてください

 

正常運転資金を大事に

昨今、事業性評価に代表されるように中小企業への評価手法を改訂することで、新たな切り口での融資が行われることが期待されています。

 

その内容はインターネット上でも色々と取り沙汰されておりますが、私が最も重要なポイントを挙げるとするならば「正常運転資金」であることに間違いはありません。

正常運転資金はなぜ大事?

正常運転資金とは、貸借対照表から計算できるもので

 

受取手形+売掛金+棚卸資産-支払手形-買掛金

 

で計算されます。「お金になるのを待っている」という最も運転資金らしいお金(受取手形、売掛金、棚卸資産)から支払義務はあるが、支払待ってもらっているお金(支払手形、買掛金)を引いた、理論上会社に必要な運転資金です。

 

そんな正常運転資金になぜ今、焦点が当たっているのかいうと

 

・正常運転資金は、最終的に短期間で現預金になることが見込まれるため、融資としては担保がなくとも回収懸念が小さい

 

・正常運転資金は貸借対照表上で算出することができるため、貸し手金融機関にとって金額が分かりやすい

 

ことにあります。担保に頼ってはいけない、でも貸倒をしたくない金融機関にとっては数的にも確認しやすい正常運転資金は都合がよいのです。

それでも、銀行がやりたくない理由

この考え方は、実のところ昔からある融資の基本中の基本です。

 

ではなぜ、今になって改めて採り上げられたのかといいますと金融機関からみて、正常運転資金算出に使う「棚卸資産」が簿価通りには信じられないから、です。

 

会社にある在庫が本当のところいくらの価値か、なんて銀行員には分かりません。また、平成の長い不況の中で、粉飾で棚卸資産を積み増しする企業が激増してしまい、棚卸資産の簿価を信じられなくなる

 

⇒銀行は棚卸資産を正常運転資金としてみることが困難

⇒会社の正常運転資金がなくなる

⇒融資対象外になる

⇒長期マル保でのみ対応する

 

ことが大半となり、正常運転資金の概念を活用した融資が随分と減ってしまったのが実情です。

 

貸し渋りの銀行からみた実情は、こういうことだったのです。…メディアで採り上げられることは、全くありませんでしたが。

金融機関の疑念を払拭することで、融資が受けられる

私のお客さま企業は、上記の「金融機関がやりたくない理由」を払拭することで融資を受けられました。

 

・試算表を毎月提出、棚卸資産も毎月月初・月末を算出

 

・(必要に応じて)在庫帳を提出、長期塩漬けになっている在庫が限られる範囲内でしかないことを示す

 

・売上見込みから正常運転資金の見込みを報告することで必要な融資の金額をこちらから提示する(単にいくら足りない、ではなく、正常運転資金がこれだけ増えるのだから、と伝える)

 

これを最低3ヶ月、長ければ数年に渡ってあきらめずに、真摯に続けた結果、金融機関が「この融資はプロパーであっても考えられる」と考えてくれるに至ったのです。

 

融資を適切に受けられる鍵は、日常の報告の積み上げにあります。常にいくらの資金が将来必要になるのか、今ある棚卸資産が適切であることそれを伝え続けることが、金融機関を動かすとご理解下さい

 

これからは、真面目すぎる会社の方が、融資を得られます。

 

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この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社へ入社。相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。
    一般的な金融取引の見直しの他、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。
    粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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