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売却想定価格が高いという理由だけで、M&Aアドバイザーを選んでませんか?

先日あるM&Aの売り手様から相談を受けました。

 

社長:「実は、既にほかのM&A会社に依頼しているのですが、全く動きがありません。」

 

社長:「その会社は当社は3億で売れると言ってくれました。」

 

私 :「社長、大変申し上げづらいのですが、御社はどう見積もっても1億での売却が限界です。」

 

社長:「やっぱりそうですか。。。現在お願いしている会社が突出して売却想定価格が高かったので依頼したんですが。。。」

 

ここで、一旦M&Aの売り手がM&Aアドバイザーを選定する際に重要なことを以下に記載したいと思います。

1.専門性と経験

M&Aアドバイザーは、M&Aプロセスに関する専門知識と豊富な経験を持っていることが重要です。

 

売り手側は、アドバイザーが過去にどのような取引を手がけたか、どの程度成功したかなどを確認する必要があります。とくに売り手様と同じ業界での実績と経験を確認するといいと思います。

2.信頼性と誠実性

M&Aアドバイザーは、売り手の利益を最優先に考えるべきです。

 

売り手は、アドバイザーが信頼できるかどうかを確認する必要があります。

 

アドバイザーの会社は信頼できるが担当が信頼できないという場合は、別の担当者に変えてもらうことを考えてもいいかもしれません。

3.価格設定の適正性

M&Aアドバイザーは、売却想定価格を適正に設定することが重要です。売り手は、アドバイザーが正確な評価を行い、適切な売却価格を設定することができるかどうかを確認する必要があります。

 

上記3に関連することですが、上記の「適正に設定」とは、言い換えると、マーケットで売却できる価格の上限ということでしょうか。

 

売れる限度を超える価格、つまり売却できない価格ではないということです。冒頭のやりとりでもあったように、売却想定価格が高いという理由(だけで)でM&Aアドバイザーを選定する場合には慎重に行う必要があります。

 

高い売却価格を実現することができるという保証はなく、結果としてM&Aアドバイザーの費用が高くつくだけになる或いは時間を大きく浪費し、機会損失の可能性があります。中には、案件を獲得したいという理由で、売却想定価格を高くするM&Aアドバイザーも存在します(私も常に葛藤していますw)。

 

売り手は、M&Aアドバイザーの選定においては、売却想定価格だけでなく専門性や信頼性など、より総合的な視点で判断することが重要です。M&Aは投資活動であり、ボランティアではありません。夢のような高値では売却できませんし、夢のような割安で買収できることもありません。

 

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この記事の著者

  • 松原 良太

    ・青山学院大学経済学部 卒業
    ・オーストラリアボンド大学 大学院 経営学修士課程(MBA)修了。
    ・財団法人日本M&Aアドバイザー協会 代表理事
    ・株式会社ビザイン 代表取締役パートナー
    ・AMD capital management 株式会社 代表取締役
    ・株式会社ビザイン・ファミリー・アドバイザーズ 取締役
    ・近著(共著):この1冊でわかる M&A実務のプロセスとポイント

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