コラム

  1. ホーム
  2. > コラム
  3. > M&A(事業承継)
  4. > 売却価格への固執

売却価格への固執

M&Aにおいて、売却価格への固執により、本来成立するはずの案件が成立しない事案についてお話いたします。

当然ながら売主の価格設定に対し、買主がその価値を理解することで、M&Aが成立します。

 

売却価格は、業種・地域などによりブレがありますが、基本的には業績・財務内容によってある程度の目線が存在します。

 

ところが、業績・財務内容からいって、明らかに高すぎる価格を設定される案件を良く見かけます。原因の一つに、「過去の価格提示に縛られる」というものがあります。

 

・同業の社長からの買収を持ち掛けられ、価格提示があった
・買収DMが届き価格が記載されていた
・電話による買収提案時の買収価格に案内受けた

 

このようなものがあります。実際、下記のようなケースがございました。

 

A社の社長が5年前に「8億円で買収したい」という価格提示を受けました。
※決算書等の財務資料は一切開示しておりません。

 

当時、A社の業績は、右肩あがり。社長は、事業を拡大することに注力し、M&Aを進めることはありませんでした。その後の5年間、A社の事業は停滞。ついに営業赤字となり、財務内容も悪化。5年前と比較し、純資産も大幅に下がってしまいました。

 

このタイミングで、社長自身が高齢になり、後継者もいないことからM&Aでの売却を行うことになりました。

 

この時に、A社社長の売却価格は、「5年前と同じ価格の8億円」下回ることなどありえない!という考えとなりました。この売主社長の価格設定では、買主が納得せず、M&Aが成立しないことは、皆様も予期できると存じます。

 

ところが、A社の社長は、直近の5年間、苦労して経営を継続してきたこのため、5年前の価格を上回らないはずがない! このように考えるのです。

 

5年前、右肩あがりの好調な経営状態でしたので、プレミアムが、価値を上げていたことはあり得ます。ただし、当時、決算書等の財務資料を開示しておらず、提示された価格自体の妥当性があるのか疑問です。少なくとも5年前に比べたら、明らかにA社の価値は低くなっている。冷静に考えれば、理解できるはずです。

 

自身が、買手側だったらその価格は妥当か?この質問に向き合うとA社社長のロジックは破綻していることが見えてきます。

 

皆様は上記の話をご覧になり、自身ではこのような状態に陥ることはないと感じる方が多いと存じます。

 

しかし、実際にA社社長のように過去の価格提示に縛られ、M&A売却チャンスを逃している方を多く見かけます。このため、M&A売却に動かれる際には、冷静な分析を多面的に行い、上手な価格設定を行っていただきたいと切に願います。

 

売主様にとって耳障りなことであっても、面談時に厳しい旨(価格提示を下げるべき)を伝えるようにしております。お役にたてるような機会があれば、ご相談いただければと存じます。

 

 

【無料】M&Aに関するお電話・メールでの相談はこちら

新商品のご案内

月額9,900円サブスクコンサル
ダイトリ」5大サービス

①すぐに使える経営知識・情報動画の視聴
②経営コンサルタントによる相談サポート
③人気セミナー含むセミナー無料招待
④教材・マニュアルがいつでも40%OFF
⑤社長の専門学校も利用可能

→ 詳細・ご購入はこちら
金融機関紹介実績No1
支援機関
contents
  • 事業再生
  • M&A
  • よくある質問
  • 実際の事例集
  • オンラインショップ
  • 会社概要

一人で悩む経営者へ
後悔しない決断を一緒に見つけましょう