コラム

「社長！事業企業の成長が目的なら、買収だけでなく、売却も検討してみてはいかがでしょうか？」こんな提案もすることがあります。

私は中小企業のM&Aアドバイザーとして、予てより皆様（売り手様、買い手様）にM&Aが単なる事業や企業の売買（単に事業・企業を売った、買った）だけでなく、事業や企業の生き残りと成長のためにとり得る戦略の一つとして重要であることをお伝えいたします。

戦略の一つというからには、業績不振による先行き不安とか、後継者不在ではなく、成長のために敢えて大手企業の傘下に入ることも非常に有効な場合があります。

以下に、その利点や戦略的メリットについてご説明したいと思います。

大手企業との統合により、その強力なリソースやネットワークにアクセス（利用）することが可能になります。これにより、生産性向上や業務プロセスの効率化が期待できます。

大手企業は通常（一般的に）、最新の技術やイノベーションに中小企業よりアクセスできる立場にあります。M&Aを通じてこれらの技術を導入することで、競争上の優位性を築くことが可能になります。

大手企業の強力なブランドや広範な販売網を利用することで、新たな市場への展開や顧客基盤の拡大が可能となります。

大手企業の傘下に入ることで、市場の変動や経済的な不確実性に対するリスクが分散され、安定性が向上します。人材の活用と育成: 大手企業は優れた人材を抱えています。M&Aを通じて、その人材を活用し、新たなビジネスチャンスに取り組むことで、組織の成長が期待できます。

大手の傘下に入ることで、これまで大きな負担となっていたキャッシュマネジメント（資金繰り）から解放され事業活動に集中することが可能になります。

M&Aは、単なる売買だけでなく、戦略的な判断とビジョンが求められるプロセスであり、大手企業の傘下に入ることが、戦略的な視点からも、生き残り・成長という観点からも有益である可能性が大いにあります。

ご自身が100％所有し続けることが起業の目的なのか？事業の生き残り・成長、ひいては従業員やステークホルダーの幸せが起業の目的なのか？一歩立ち止まって考えてみること、何か新しい光が見えてくることもあるかもしれません。